2004年1月14日水曜日

「MFT(口腔筋機能訓練法)子ども編」について

ゲスト/石丸歯科 石丸 俊春 歯科医師

子どもたちの舌癖について教えてください。

 歯磨きへの理解が深まったお陰で、最近は子どもたちの虫歯や歯肉炎が減りました。一方で、歯並びが悪かったり、うまく噛(か)めないなどといった問題がクローズアップされています。ポカンと口を開けている、発音がはっきりしない、クチャクチャと音を立ててものを食べているようなことはありませんか。これは舌癖や口呼吸によるものです。舌癖は、舌が正しい位置になく、口の下や前方にあるため、常に歯を押し、口呼吸で口を開けているため、唇とその周辺からの圧力が無く、出歯になったり、歯間に隙間ができたり、咬(か)み合わせが悪くなったりします。また、唇や頬(ほお)の筋力が弱いため、しまりのない表情になります。舌足らずな発音になることもあります。なぜ、このような症状が現れるかというと、咀嚼(そしゃく)やえん下がうまくできない、鼻の病気などによる口呼吸、片側だけで噛むなどといった日常生活の中での悪癖が原因です。

どのように治せばいいのでしょうか。

 舌癖を治し、正しい咀嚼、えん下を身に付けるのが、MFTといわれる口腔筋機能訓練法です。表情筋や舌筋、咀嚼に係わる筋肉群の訓練を行い改善していきます。ベーシックなコースとしては、スポットポジション(舌先を正しい位置に置き、奥歯は噛まず、唇は軽く閉じる)を意識する、ポッピング(口を閉じ上顎に舌を付けタンッと音を出す)、口元を「イー」「ウー」の発音の形にする、左・右・両方の目を、それぞれグッとつぶって大きく見開く、上を向いてガラガラとうがいをして、水を含んだまま10秒間止めるなどの訓練があります。これによって顔の血行が良くなり、バランスのとれた筋肉が付きます。生活の中では、良く噛んでのみ込む(白米なら40回噛む、水で流し込まない)、左右均等に噛む、正しい姿勢で足を床につけて食事する、唇を噛んだり、指しゃぶりをしないなどを心掛けると良いでしょう。MFTは子どもだけではなく、成人や高齢者のえん下障害や舌の機能不全などにも効果があります。