2012年2月6日月曜日

現代人の顔の骨格と歯並び

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 院長

現代人の顔の骨格の特徴について教えてください。
 昔の日本人の顔は、顔幅が広く、顎がしっかりした骨格が一般的でしたが、最近の若い世代の顔の骨格は、顎がせまく、したあごがとがった面長型が非常に多く見られます。日本人の食生活が急激に変化し、軟らかい食べ物が主流となった昨今。咀嚼(そしゃく)回数が極端に減り、顎や口周辺の筋肉が衰えたことが原因だといわれています。
 また、日本人の頭の形を容器に例えると、丸い容器で、欧米人は縦長の容器だといえます。縦長の容器は奥行きがあり、きれいに歯が並びますが、同様の数の歯を丸い容器に入れようとすると、奥行きがないため、どうしても無理が生じてきます。結果、奥の歯が内側に倒れ、歯が凸凹に生えてくるのです。これを不正咬合(こうごう)といいます。最近の研究で、現代人は歯のサイズが大きくなっているという報告がありました。現代人の永久歯の標準本数は28本ですが、若い世代では24本しか生えていない人も珍しくありません。このように、顎が狭くなったことで、現代人は歯にさまざまなトラブルを抱えるようになったのです。

歯科矯正を始めるための適切な時期について教えてください。
 食生活の変化により、今後も若い世代の不正咬合は増えていくでしょう。成長期にある子どもは、成長を利用しながら理想的な噛(か)み合わせに誘導していくことができます。注意したいのは、歯科矯正を始めるタイミングは個々で違うということ。お子さんの歯並びが気になるという人は、就学時前に一度、矯正歯科で検診を受け、治療を始める適切なタイミングを医師に診断してもらうことをお勧めします。
 正しい歯並びを得ることで、食べ物をしっかり噛んで食べられるようになることはもちろん、発音もよくなり、また審美的にもきれいな口元になります。口元にコンプレックスを感じている人にとっては大きな自信となるでしょう。日本では歯科矯正に対する認識が欧米に比べるとまだ低く、矯正治療に抵抗感を示す人も少なくありません。しかし、歯科矯正は、他の病気を治すのと同じように、歯の正常なそしゃく機能を回復することと、健やかな体を作るために必要な治療です。少しでも気になることがあれば、気軽に専門医に相談してみてください。