2008年2月20日水曜日

「喫煙と禁煙」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 医師

タバコの害が注目されています。

禁煙エリアの設置や、公共空間での分煙の徹底など、近年はタバコの煙に対する認識が厳しいものになってきています。特に実際に喫煙する行為よりも、非喫煙者の受動喫煙の害が注目されています。 実際に、タバコには化合物が約4000種類も含まれ、その化合物には60種類の発がん物質が含まれています。喫煙時に直接口に入る「主流煙」と、タバコの先端から立ち上ぼる「副流煙」の二種類の煙がありますが、主流煙は600℃、副流煙は300℃で、副流煙は燃焼温度が低く、また吸い込まれないので十分な酸素が供給されないため、不完全燃焼になりやすいという特徴があります。さらに、副流煙はフィルターにかからないので、有害成分は副流煙の方が1.2~170倍も多いのです。 これら有害な煙を吸うと、 疫学上がんになる可能性のある臓器は、口腔(こうくう)、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、食道、肺、すい臓、子宮頸(けい)部、腎臓、膀胱(ぼうこう)です。ただし、発がん物質の解毒能力には個人差があり、がん発症の有無、時期に違いがでます。

がん以外にも健康に悪影響がありますか。

狭心症や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞、腹部大動脈瘤(りゅう)、慢性動脈閉塞(へいそく)症などの重篤な疾病のほか、虫歯、口臭、高コレステロール血症、骨粗しょう症の危険因子でもあります。 さらに、最近は睡眠時無呼吸症候群と喫煙の関係が注目されています。主な症状であるイビキが、喫煙者に多いことは以前からいわれており、喫煙による炎症が上気道の腫れ、狭窄(きょうさく)を引き起こすことや、睡眠時のニコチン不足により睡眠が不安定となることが原因といわれています。 風邪も喫煙者は治りづらいのですが、喫煙によってせきやばい菌をのどから排除する線毛が減り、のどが汚れたままの状態で、さらに気管支周囲の炎症や気道の破壊で粘膜の抵抗力を低下させます。 タバコを止めようとする意志があるならば、ニコチンガム(禁煙率約30%、薬局または病院で処方)、 ニコチンパッチ(禁煙率約70%、病院のみで処方)があります。また飲む禁煙薬が近々認可される予定ですので、病院で相談するといいでしょう。