2007年11月14日水曜日

「乳歯列の反対咬合(こうごう)矯正治療」について

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 歯科医師

反対咬合の矯正時期について教えてください。

 反対咬合(受け口)の治療は、矯正治療の中でも長くかかるものです。反対咬合はもともとの骨格が影響している場合が多く、成長とともに症状も変化するため、一般的には永久歯が生え始める7歳前後から、長い場合は成長が止まる18歳頃までの継続的な矯正治療が必要となります。
 きちんと最後まで治療することが大切ですが、小学校高学年や中学生になると、面倒くさがって治療を中断してしまう場合があります。反対咬合の場合は、骨の成長とともに症状が顕著になることも珍しくありませんので、中学生や高校生の成長期の検診・治療はことのほか重要です。反対咬合をそのままにしておくと、発音やそしゃくに影響する場合も多く、また審美面で劣等感を抱くことも考えられます。成人してからの治療では、外科手術が必要となるケースも多いのが実情です。

乳歯列のころからの治療法もあるそうですね。

 反対咬合は、3歳児の歯科検診で指摘されて受診する人が多いです。また、親族に反対咬合の人がいる場合が多く、保護者が早いうちから注意を払うため、早めに専門医を受診するケースが多くなっています。これまでは、永久歯に生え替わるまでは、「様子をみる」ということが多かったのですが、樹脂製のマウスピース状の器具が開発され、早めに矯正治療が開始できるようになりました。寝ている間に器具を歯にかぶせ、口の周囲の筋肉、舌の機能を利用して改善します。ごく単純な形状のため幼児でも比較的抵抗なく受け入れることができます。 
 治療の開始時期が早いほど効果が期待できますが、これだけで治るか、さらに永久歯になってからの治療が必要かは、ケースバイケースです。ここ2、3年で急速に広まっている治療法なので、気になる人は矯正専門医にぜひ相談してください。従来の矯正治療に比べ、本人の負担が少ないのも魅力ですが、上手に使えなかったり、期待したほどの効果が得られない可能性もあります。また、この治療法が合わない症状という場合もあります。医師と十分に話し合って納得をしてから治療することをお勧めします。