2005年9月7日水曜日

「関節の音」について

ゲスト/山口整形外科クリニック 山口秀夫 医学博士 

関節の音について教えてください。

 指を引っ張ったり、首を曲げたりすると「ポキッ」「ポキッ」と音が鳴ることがよくあります。これは関節を急に引っ張ったり、曲げたりすることによって、関節内が真空になり、関節液中の窒素が気化し、それがはじけることによって生じる音です。このような音は特に心配することはありません。
 しかし、膝(ひざ)の音の場合は、病気である可能性が高いので、注意が必要です。膝の曲げ伸ばしで、膝蓋骨(いわゆる「お皿」と呼ばれる部分)の内側に、「コクン」「コクン」と引っ掛かるような音や感触があったら、棚障害という病気が考えられます。これは、大腿(だいたい)骨と膝蓋骨の間にある、棚と呼ばれる膜が、厚くなったりさけたりして、曲げ伸ばしの際にお皿の下に挟まれ、音と痛みを生じさせます。棚は生まれつきある人とない人がいて、若くして膝の痛みを訴える場合はこの病気である可能性があります。
 座っていた姿勢から立ち上がろうとした時に、膝が伸ばせなくなり、内側や外側に激痛を感じ、ゆっくり伸ばそうとすると、何度目かに「クキッ」と音が鳴り、伸ばせるようになったら半月板障害が考えられます。膝にはクッションの役目をする半月板という軟部組織があります。半月板は膝の内側と外側の二カ所に存在しており、クッションの役目のみならず、関節の安定性にかかわる非常に重要な組織です。急に関節をひねったり、何度も同じ動作を繰り返すことで、傷つくことがあります。スポーツ選手に多い病気です。
 歩いている時いつも「ジャリッ」「ジャリッ」と音がしたら、変形性関節症という病気でしょう。膝関節内の軟骨の摩耗や骨の変形が原因で、主に加齢によって引き起こされます。
 いずれにせよ膝から聞こえる音は、関節内の軟部組織(関節包、滑膜、半月板)が関節軟骨に挟まれて発生します。長期にわたってこの状態が継続すると、関節軟骨を傷つけたり、関節に水がたまる関節炎を起こすことになります。膝から音が聞こえたら、ぜひ早めに整形外科の専門医の診察を受けられることをお勧めします。