2005年8月10日水曜日

「子宮筋腫」について

ゲスト/札幌東豊病院 黒木 勝円 医師

子宮筋腫について教えてください。

 子宮筋腫とは平滑筋と呼ばれる子宮の筋肉組織から発生する良性の腫瘍(しゅよう)で、成熟女性の3、4人に1人の割合で出現する極めて高頻度な疾患です。年代的には40代以上に多いのですが、20代でも珍しくありません。症状としては、過多月経、不正出血、それらによる貧血、時に月経困難などがあります。特に過多月経は粘膜下筋腫に顕著です。子宮筋腫があると、不妊や不育症の原因になることもあります。発生のメカニズムは、いまだに不明ですが、女性ホルモン(エストロゲン)がその発育に関係しているといわれています。
 筋腫は発生部位によって、漿膜(しょうまく)下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫の3つに分けられます。不妊や不育症の原因になりやすいのが、子宮内腔に突出する粘膜下筋腫です。診断は問診、内診、超音波診断、場合によってMRI(磁気共鳴画像)などの検査を行って確定します。子宮筋腫と鑑別の必要な疾患としては、子宮腺筋症(子宮内膜症の一種)、充実性卵巣腫瘍、頻度は非常にまれですが悪性度の高い子宮肉腫などがあります。

子宮筋腫の治療方法について教えてください。

 筋腫の場所、大きさ、症状の有無・程度などによって治療方法は異なります。筋腫が小さく、症状もなければ、そのまま経過観察をする場合もあります。症状が軽ければ、筋腫を成長させるエストロゲンを人工的に止め、偽閉経状態にするホルモン療法を用いることもあります。筋腫による症状があったり、筋腫が不妊や不育症の原因になっている場合は手術を行います。かつては、妊娠希望のない場合は腹式あるいは膣(ちつ)式による子宮全摘出術、妊娠希望のある場合は腹式による子宮筋腫核出術が一般的でした。最近はそれに加え医療機器の進歩により子宮鏡や腹腔鏡による手術も行われてきています。特に粘膜下筋腫には子宮全摘出が一般的でしたが、レゼクトスコープという内視鏡によって筋腫だけを切り取る手術が主流になってきています。子宮筋腫はがんなどと違い悪性ではない分、大きさ、症状、妊娠の希望、年齢など総合的に考えて、治療方針を決める必要があります。納得できるまで主治医に相談することをお勧めします。