2004年12月1日水曜日

「COPD(慢性閉塞=へいそく=性肺疾患)」について

ゲスト/大道内科・呼吸器科クリニック 大道 光秀 医師

COPDとはどんな病気ですか。

 「慢性気管支炎」と「肺気腫(しゅ)」を合わせてCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼んでいます。いずれにしても、気管支内の空気の流れが悪くなる病気で、現在の日本では肺気腫の場合が圧倒的に多いです。呼吸によって取り入れた酸素は、肺を構成する肺胞を経て血液中に酸素として送られますが、肺気腫は、肺胞と肺胞を仕切っている壁が壊れる病気です。肺胞壁が壊れると隣り合う肺胞が一つの気腔になり、それを繰り返して徐々に気腔が広がります。肺胞を取り巻く壁にはガス交換をする血管が走っていますが、肺胞壁が壊れると血管も壊れてしまうため、ガス交換効率が悪くなります。さらに、肺胞が壊れると気管支を広げる力が弱くなり、気管支が閉塞します。結果として、体を動かすと息切れしたり、息苦しくなったりという症状が現れます。進行すると、安静にしていても呼吸困難を生じるようになります。

診断や治療法について教えてください。

 ゆっくりと進行する病気なので、息苦しさなどの自覚症状が出るころには、相当病状が進行しています。風邪やインフルエンザなどの感染症が発端で症状が現れることがあります。感染症治癒後も身体の異常が続くときは、呼吸器の専門医を受診することをおすすめします。肺気腫の診断は、肺機能検査が重要です。吸った空気を全力で吐いて、1秒間にどれくらい吐き出せるかの検査をして、70%以上を1秒間に吐き出せないと閉塞性障害があると診断します。また肺機能検査で分からないような微細な変化は、CT検査により分かる場合もあります。肺気腫の場合、壊れた肺胞は二度と元に戻りませんから、進行を止めることが主な治療となります。肺気腫の原因はほぼタバコと考えられます。喫煙者はもちろん、喫煙者の近くにいる非喫煙者が副流煙によって発病することもあります。治療のスタートは禁煙ですが、すぐに進行が止まるわけではありません。気管支拡張剤を使って呼吸を楽にしたり、病状が進んでいる場合は酸素を吸入する在宅酸素療法を行います。COPDを疑われたり、診断された人は、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種し、予防に努め、発症や進行を防ぎましょう。