2019年12月11日水曜日

リウマチクリニックにおける看護師の役割

ゲスト/佐川昭リウマチクリニック 佐川 昭 院長

リウマチ診療におけるチーム医療の重要性について教えてください。
 近年、骨破壊を抑える効果が期待できる生物学的製剤の登場など、診断技術や治療方法の大幅な進歩によって、リウマチの症状や兆候が消失した状態である「寛解」を目指し、寛解が維持できる“新しい時代”を迎えています。とはいえ、リウマチはその治療が長期にわたるため、患者さんにとっては心理的負担も大きく、また高額な薬剤費による経済的負担も大きくなります。これらのさまざまな問題を医師だけで解決することは難しく、医師以外のメディカルスタッフの協力が必要となります。
 医師、看護師、検査技師、薬剤師らがそれぞれの立場から患者さんへの聞き取り、日常生活のチェックなどを行うことで、あらゆる角度から患者さんの容体をみつめ、医師の診察だけでは分からなかった問題点を発見することがチーム医療の狙いの一つです。看護師の介在は、患者さんと医師のコミュニケーションには必須です。
 高齢化社会を迎え、リウマチ患者さんの高齢化が進むとともに、高齢発症の患者さんも増えております。高齢者はフレイルという虚弱状態に陥りやすく、リウマチの治療を継続しなければ、身体機能の低下で寝たきりになる可能性もあります。そこで大切なのは、個々の患者さんが希望される治療内容や社会的背景(医療・福祉制度の利用状況など)を十分に考慮しながら、治療(通院)の継続を支えていくことです。その中で大きな役割を果たすのが、医師以上に患者さんと長い時間向き合っている看護師の存在であると私は考えます。
 看護師は、患者さんが家事などの日常生活に不便を感じたり、医療費を負担に感じていないかなど、個々人の背景を把握するよう努めることも仕事の一部です。患者さんが利用できるさまざまな制度について情報提供をするなど、それぞれがより良い人生を送るために、日々の生活をどのように過ごし、どう治療を継続していくかという個別指導の取り組みも重要になります。
 患者さんが新たに医療・福祉制度を利用し、さまざまなサービス、支援・助成を受けるというリウマチのトータルケアの一助となれるように日々努力を積み重ねることも看護師の責務です。
 看護師が自己研鑽して培ってきた技能やアイデアを活かし患者さんに貢献することでチームとしての医療体制が整い、より良いリウマチ診療を生み出すことができるでしょう。