2019年9月18日水曜日

よくある皮膚のできもの・粉瘤(ふんりゅう)

ゲスト/医療法人藻友会 いしやま形成外科クリニック 石山 誠一郎 院長

粉瘤とはどのような病気ですか。
 粉瘤というのはアテロームとも呼ばれる、袋状のできもの(嚢腫・のうしゅ)です。皮膚のできものの中でも発症頻度が高く、体中のどこにでもできます。良性で痛みを伴わないため、放置してしまう方がとても多い疾患です。
 何らかの原因によって、皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、中には角質(垢・あか)や皮脂が溜まっています。ドーム状に盛り上がり、触れると中に塊があるように感じます。表面には黒い点のような開口部があり、そこから不快な臭いのするペースト状の白い物質が出てくることがあり、強い体臭や加齢臭の原因ともなります。
 粉瘤は自然に治る病気ではありません。最初は小さく、日常生活に支障をきたしませんが、大きくなると皮膚の膨らみやしこりが気になり始めます。放置しておくと、10cm以上の大きさになることもあります。また、細菌感染や炎症を起こすと、急に大きくなり、赤く腫れあがって激痛を伴うこともしばしばです。単なるおできや吹き出物と自己判断し、受診が遅れると重症化するケースも多く注意が必要です。

治療について教えてください。
 細菌感染や炎症がある場合などは、皮膚を少しだけ切開して膿(うみ)を出す治療が行われることが多いですが、袋はそのままなので再発の可能性があります。一時的に痛みが楽になると放置してしまい、また数カ月後に再び炎症を起こし、同様の処置を行うという一連の流れを繰り返す方も非常に多いです。炎症と切開処置を繰り返した部位は、瘢痕(はんこん)化といって皮膚や皮下組織が硬く固まってしまい、完治させるのが難しかったり、治療の傷が大きくならざるを得なかったりする場合もあります。
 粉瘤は飲み薬や塗り薬で自然と消えることはなく、切開のみでは再発を繰り返すことが多いです。完治には、外科的に袋ごと取り除く必要があります。粉瘤の大きさにもよりますが、手術は局所麻酔で行う日帰り手術で、所要時間は10分から20分程度です。
 私たち形成外科医は「手術が必要な体表面の異常を、できる限り外見に気を配りつつ治療する」ことを専門にしています。機能的な面のみならず、整容面も十分に考慮しながら手術・治療を行います。粉瘤の完治を目指す治療を希望する場合は、ぜひお近くの形成外科へご相談ください。