2019年6月26日水曜日

バイオ医薬品とバイオシミラー

ゲスト/佐川昭リウマチクリニック 古崎 章 副院長

バイオ医薬品とバイオシミラーについて教えてください。
 関節リウマチでは、抗リウマチ薬を中心に、非ステロイド性抗炎症薬や副腎皮質ホルモンを使って炎症や骨破壊、疼痛などを抑える治療を行います。これら従来の薬は化学的に合成された低分子の医薬品です。一方、「バイオ医薬品(生物学的製剤)」は、生体が作る物質を使用した薬剤のこと。最先端のバイオテクノロジーで製剤され、高分子で構造が複雑な医薬品です。リウマチの治療においては、体内にある炎症や骨破壊を起こす物質に直接作用し、多くの患者さんに対して高い治療効果が期待できます。その反面、薬剤費は高いです。
 低分子医薬品(従来の一般的な薬)は大きく2つに分けられます。先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)です。先発医薬品は製薬会社が大きな費用を投じて研究・開発した薬。開発後20年〜25年は特許で守られ、開発したメーカーだけが製造できます。この特許が切れた後に別のメーカーがつくるのが後発医薬品です。有効成分を同じ量含有していますが、開発コストが不要なため価格が安くなっています。先発医薬品の約2〜7割ほどといわれます。
 一方、バイオ医薬品のジェネリック医薬品で、先行バイオ医薬品と同じように使えることが確認されているものを「バイオシミラー」と呼びます。

バイオシミラーの特徴を教えてください。
 バイオ医薬品の特許が切れた有効成分を用い、抗体や遺伝子組み換え技術などを応用してつくられています。バイオ医薬品の場合、薬の分子構造を完全には再現できないためシミラー(類似)と呼びます。
 先行バイオ医薬品と効果や安全性が同等かを比較するため、実際の患者さんに使用する臨床試験を行い、安全で有効な医薬品と確認された上で製造販売が承認されることになっています。
 バイオ医薬品は治療効果の高い薬ですが、医療費が高額になってしまうのも事実です。その点、バイオシミラーは先発バイオ医薬品と比較して価格が6〜7割と安いため選択肢の一つになります。医療経済的にも今後必要性が高まってくると考えられます。
 先発バイオ医薬品と比べ、バイオシミラーの有効性・安全性に差はないとしても、まったく同じものではありません。実際に使うかどうかは担当医とよく相談した上で選択することをお勧めします。