2018年2月23日金曜日

風邪(かぜ症候群

ゲスト/医療法人社団 大道内科・呼吸器科クリニック 大道 光秀 院長

風邪について詳しく教えてください。
 冬将軍が到来し、空気が乾燥するこの時期は、「風邪の季節」でもあります。風邪(かぜ)とは、実は単一の病名ではなく、いろいろな症状が重なった症候群(しょうこうぐん)なのです。だから一口に風邪といっても、くしゃみや鼻水、せき、のどの痛みなどを主な症状とする風邪から、せきのひどい気管支炎や、高熱、頭痛、からだのだるさ、ふしぶしの痛みなどの強い全身症状を伴うインフルエンザまで、さまざまなタイプがあります。ただ最近ではインフルエンザをすみやかに診断する検査法があるので、検査で陽性の場合、風邪とはいわずにインフルエンザと言います。
 風邪の症状を起こす微生物(病原菌)の80〜90%がウイルスによるものです。主なものは10種類ほどといわれ、冬はインフルエンザ(A、B)、RS、夏はコクサッキー、エコー、エンテロ、通年型としてはパラインフルエンザ、アデノ、季節とはあまり関係ないものとしてはライノ、コロナウイルスなどがあります。ただ、現在のところインフルエンザウイルスを除き、ウイルス感染症に有効な薬剤はありません。ですから「風邪薬」というのは、くしゃみや鼻水、せきなどの症状をやわらげる薬であり、ウイルスを殺す薬ではないのです。いわんや風邪の予防薬でもありません。インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスの予防注射であって、風邪の予防注射ではありません。

病院を受診する際、気をつけたいポイントを教えてください。
 病院では、患者さんの症状にあわせて、鼻水止め、せき止め、痛み止め、解熱剤などの効果を有する薬を処方します。ですから、ただ「風邪をひいたので風邪薬をください」というのではなく、自分の症状をきちんと医師に伝えることが大切です。
 詳しい症状がわからなければ、薬の出しようがありません。それどころか、本当に風邪なのかさえわからないこともあります。せきやたんを症状とする病気には、肺炎や結核、肺がん、気管支ぜんそく、間質性肺炎などがあり、また発熱を症状とする病気には、膠原病や悪性リンパ腫、悪性腫瘍などがあります。命にかかわる病気が隠れているケースも多く、きちんと症状を伝えないと、手遅れになってしまうこともあるのです。
 病院を受診する際は、面倒でも、いつからどんな症状が出てきたのかをできるだけ詳しく伝えましょう。前もって、症状を記したメモなどを用意し、医師に見せるとより的確に診断、治療してもらえるはずです。