2015年8月19日水曜日

赤ちゃんの口腔ケア


ゲスト/医療法人社団アスクトース 石丸歯科診療所 近藤 誉一郎院長

赤ちゃんの口腔(こうくう)ケアについて教えてください。
 乳歯は生後6〜8カ月頃に下の前歯から生えてくることが多いようです。個人差はありますが、3歳までに乳歯20本が生えそろいます。赤ちゃんの口腔ケアは、歯を磨くという行為に慣れてもらうことが一番の目的なので、スキンシップの一環として、乳歯が生える前から始めましょう。
 歯が生えていないうちは、清潔な指で赤ちゃんの歯茎を触ってあげることで、口の中に触れられることに慣らしていきます。できるだけ目を見つめて赤ちゃんを安心させてあげましょう。
 下の前歯のケアは、唾液の自浄作用で汚れが付きにくいので、水で湿らせたガーゼなどで拭いてあげる程度で十分です。慣れてきたらブラシ部分の小さい乳児専用のものでやさしく磨きましょう。上の前歯の間や歯茎との境、スプーンのようにくぼんだ歯の裏側は、虫歯になりやすい部位なので注意して磨いてください。唇と歯茎をつなぐ筋(上唇小帯)に歯ブラシがあたると、赤ちゃんは嫌がることが多いので、筋を指でよけて歯ブラシを歯と歯の間にあてるようにしましょう。複雑で細かい溝がある奥歯も、汚れのたまりやすい部位です。溝にそって手前にかき出すようにして、汚れをしっかり取り除いてください。

赤ちゃんの歯磨きのコツを教えてください。
 赤ちゃんの歯を磨くのに強い力はいりません。また、歯磨き剤を使う必要もありません。歯ブラシの毛先で軽く、細かく磨くようにしてください。微振動でプルプルと磨くイメージが大切です。歯と歯がくっついている場合にはフロスを使った方が虫歯予防により効果的です。赤ちゃんにフロスを使うときは、片手で使えるホルダー付きのものが便利です。
 歯を磨いてくれるお母さんやお父さんの表情など、赤ちゃんはとても敏感です。一日のうち機嫌のよいときに始め、赤ちゃんのお気に入りの音楽をかけるなど、歯磨きが楽しい時間であると演出することも大切です。また、歯磨きの後はたくさん褒めてあげることも忘れないでください。
 赤ちゃんの歯が生えてきたら、かかりつけの歯科医院を持ち、虫歯ができやすい部位や効率的な歯磨き方法を教えてもらいましょう。フッ素塗布など虫歯になりにくくするための予防処置をしてもらうこともお勧めします。

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