2015年3月11日水曜日

歯科医療とアンチエイジング


ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 院長

歯科医療におけるアンチエイジングとはどのようなものですか。
 高齢化社会の進展に伴い、「アンチエイジング(抗加齢)」という言葉が浸透する中、歯科医療の分野は多くの関連要素があり、今まで歯科が行ってきたことをもう一歩進めた、健康と美容のための総合的な診療に注目が集まりつつあります。
 口の健康が損なわれると、食事や会話などの日常生活に支障を来し、全身の老化を早めることが最近の研究で明らかになっています。しっかりかめないと、食べ物をおいしく味わうことができなくなり、食生活の質が低下し、それが健康に悪影響を及ぼします。
 矯正歯科の分野でいえば、かみ合わせが悪い状態が続くと、顔の特定の筋肉が疲労し、顔のゆがみや表情の不自然さ、口元のしわやたるみの原因となります。また、首の筋肉や頭を支えるさまざまな筋肉にも負担が掛かるので、肩こりや腰痛、耳鳴り、片頭痛といった、歯とは関係のなさそうな症状を引き起こす場合もあります。また、歯並びなど見た目の問題も大きく、他人とのコミュニケーションに自信が持てなくなり、外に出るのがおっくうで内にこもりがちになり、それが「老い」にもつながります。
 歯が心と体の健康に及ぼす影響は非常に大きく、歯を含む口腔全体の健康がアンチエイジングの要になっているといっても過言ではありません。もっと健康で若々しく生きるために、そして、いつまでも心からの笑顔を保てるように、口元から積極的に老化防止を実践しようとするのが、アンチエイジングに基づく歯科医療の考え方です。

アンチエイジングに基づく矯正治療について教えてください。
 口の中の機能とバランスを追求していくと、歯は自然と美しく並ぶものです。さまざまな治療法により、見栄えばかりでなく、機能も同時に回復できるのが矯正治療です。「今からでは遅いのでは?」とおっしゃる方も多いですが、治療を始めるのに遅すぎることはありません。以前にも増して、成人の方やご年配の方が矯正を始められるケースが増えています。
 また、美容医学に基づく表情筋のトレーニング「フェイスニング」を用いて口腔周囲の筋肉を鍛え、バランスを整えることで、加齢による口元の衰えを防ぎ、美しい笑顔を作ることが期待できます。フェイスニングの実施については歯科に問い合わせてみましょう。

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