2014年9月17日水曜日

便秘


ゲスト/札幌いしやまクリニック 樽見 研 院長

便秘の原因について教えてください。
 便秘とは、便の排せつが困難になって便が長い期間体内に滞っている状態をいいます。毎日便が出ないといけないと考えている方も多いようですが、排便間隔は個人の環境、体質、生活習慣などによりさまざまです。何日以上便が出ないと便秘なのかと定義づけることは難しいのですが、3日に1回未満もしくは週2回未満の排便回数が便秘の判定の一つの目安となります。便秘症と呼ぶ場合は、おなかの張りや腹痛、残便感、便が硬いなどの不快な症状が出現し、日常生活に支障を来たすため治療の対象になってくるという意味合いが含まれてきます。
 便秘はまず一過性便秘と徐々に進行して慢性化していく慢性便秘に分けられます。一過性便秘は生活環境の変化などで一時的に便秘になることで、自然に改善するので問題にはなりません。慢性便秘で特に注意が必要なのは器質性便秘と呼ばれているものです。これは腸に便の通過を妨げる病気が隠れているために発生する便秘であり、その代表例は大腸がんです。
 器質性便秘以外の慢性便秘は、腸の機能が低下したために起こることが多く、機能性便秘と呼ばれています。機能性便秘はさらに、便意を我慢していることがきっかけでなる直腸性便秘、結腸の緊張が緩んでいてぜん動運動が弱くなってしまうことが原因で起こる結腸性便秘、常用している薬が原因となっている薬剤性便秘などに分類できます。

便秘の治療について教えてください。
 器質性便秘を除いては、食事療法と薬物療法、生活習慣の改善などが治療の基本となります。規則正しい排便習慣を取り戻しながら、便の量を増やし、また軟らかくすることが大切です。食物繊維を多く摂取するように心掛け、下剤を使うのであれば刺激のないタイプを用います。市販の便秘薬の多くには刺激性下剤が含まれているので、連用すると習慣性もあり、自己判断による安易な使用は勧められません。
 結腸性便秘の改善方法は運動することです。特に腹筋運動や骨盤内の筋肉を鍛えるような運動が効果的です。また、1日30分くらいのウオーキングもお勧めです。
 長期間便秘が改善しない場合は、大腸がん以外にも深刻な病気が隠れているケースもあります。一度専門医を受診し、便秘の原因をきちんと見極め、適切な対処を行うようにしましょう。