2014年7月16日水曜日

更年期障害


ゲスト/札幌駅前アップルレディースクリニック 工藤 正史 院長

更年期障害について教えてください。
 更年期とは、閉経の前後約5年間の時期を指します。多くの女性は50歳前後で閉経を迎えることから、おおむね45〜55歳を更年期と呼んでいます。年齢を重ねるにつれて卵巣の働きが低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が欠乏することでやがて訪れるのが更年期です。45歳を過ぎて、月経不順や不正出血がみられたり、出血量が違うと感じられたら要注意です。
 女性ホルモンの欠乏は、女性の生活の質を脅かします。女性ホルモンを失いつつある体は、イライラや不安、不眠、突然の発汗、ほてり、動悸(どうき)、頭痛などさまざまな症状に悩まされます。化粧ののりの悪さ、肌にハリがないといったことが気になる女性も多いでしょう。女性ホルモンを補充することは、これらの症状を改善するだけでなく、女性の若さと美しさを取り戻すアンチエイジングとしても期待されています。
 また、更年期に入った女性は骨粗しょう症にかかりやすいとされています。高齢者の寝たきりの原因は、脳血管障害に次いで、骨粗しょう症による骨折が第2位です。骨の老化は、薬や食事・運動療法である程度予防できますから、そのフォローはとても大切です。さらに、閉経後のコレステロールの上昇により血管の老化が進み、動脈硬化や認知症などのリスクも高くなります。その他、人には言いにくい性生活の悩みや、失禁、頻尿、残尿感などの問題が出てくるケースも少なくありません。

更年期を過ぎると安心なのですか。
 江戸時代(19世紀)の日本女性の平均寿命は、なんと36歳前後でした。大正時代でも43.2歳と今のほとんど半分ぐらいです。現在、日本女性の平均寿命は80歳を超えて長生きするようになり、更年期以降の人生も長くなっています。
 この長くなった人生の時間を「老年期」と呼ぶことがありますが、更年期の症状がその後の老年期の病気につながってしまうなど、更年期を過ぎても安心とはいえないのが女性の一生です。しかし、この老年期をセカンドライフと考え、前向きに心豊かに、健康的に過ごしてもらいたいと思います。女性のライフステージそれぞれの場面で問題に行き当たったとき、婦人科医は女性の心と体をよく知る専門家です。ぜひ、かかりつけ医を見つけてご相談ください。