2014年6月4日水曜日

加齢による目の病気と定期検診の勧め


ゲスト/札幌エルプラザ 阿部眼科 阿部 法夫 院長

加齢による目の病気について教えてください。
 年齢を重ねるとともに、目の病気に悩まされる人も増えてきます。代表的な病気には、白内障、緑内障、加齢黄斑変性などがあります。糖尿病の人では、糖尿病網膜症が起こる可能性も高くなってきます。こうした病気の多くは、加齢が原因の慢性疾患で、数年から20年程度かけてゆっくり進行していきます。また、目は二つあるため、片方の目が見えにくくなっても、両目で見ていると異常に気付かないケースも多く、症状に気付いた時にはかなり進行している場合が少なくありません。
 白内障は、目の水晶体が白く濁り、目がかすんで見えにくくなる病気です。治療の基本は手術で、濁った水晶体を眼内レンズという人工の透明なレンズに取り替えます。緑内障は、何らかの原因で視神経が傷つき、見える範囲(視野)が狭くなっていく病気です。視野が大きく欠けてから治療を始めると進行を抑えることが難しくなるので早期発見が大切です。
 高齢化に伴い患者さんが増加している加齢黄斑変性は、網膜の中心の黄斑という場所がダメージを受け異常が起こり、物がゆがんで見えたりぼやけたりします。早期であれば、VEGF阻害剤投与、光線力学療法などが効果をあげています。糖尿病網膜症は、血糖の高い状態が長く続くと、網膜の細い血管が損傷され変形したり詰まったりして視力の低下を招きます。糖尿病にかかっている期間が長くなればなるほど発病率が高くなります。

眼科の定期検診について教えてください。
 加齢による目の病気は、早期発見・早期治療が何よりも大切です。視覚障害の有病率が50歳代で増加することを考えれば、40歳を過ぎたら自覚症状がなくても定期的に眼科で検診を受けることをお勧めします。
 眼科で受ける主な検査には、視力の状態を確認する「視力検査」、視神経や網膜の状態をみる「眼底検査」、眼球の圧力を測る「眼圧検査」、視野が欠けていないかをみる「視野検査」、眼球の表面や水晶体、硝子体を調べる「細隙(げき)灯顕微鏡検査」などがあります。特に眼底検査では、網膜や視神経の様子から加齢による目の病気の多くが分かります。また、眼圧検査では緑内障、細隙灯顕微鏡検査では角膜や水晶体の病気が見つかる可能性が高くなります。これらの検査を一通り受けておくと安心です。