2014年1月22日水曜日

歯科金属アレルギー


ゲスト/医療法人社団アスクトース 石丸歯科診療所 近藤 誉一郎院長

歯科金属アレルギーとはどのようなものですか。
 虫歯などで歯に詰めた金属が、アレルギーの原因になる場合があることが分かっています。これを歯科金属アレルギーといいます。歯の詰め物以外にも差し歯や金属の付いた入れ歯などあらゆる歯科材料で起こり得ます。
 アレルギーを引き起こしやすい金属には、ニッケル、水銀、パラジウム、コバルトなどがあります。金や銀などにも反応する人もいます。生体親和性の高い金属・チタンでもわずかにアレルギー発症の報告があります。
 実は、金属そのものがアレルギーの原因になることはありません。金属が唾液や皮膚などの生体成分に触れることでイオン化し、表皮や粘膜のタンパク質と結合、本来生体には存在しない異種タンパクが作られます。この異種タンパクに対する拒絶反応としてアレルギー反応を起こします。近年、口腔(こうくう)内に多種類の金属が認められるとイオン化の傾向が強くなり、アレルギー症状が出やすくなることも分かってきました。
 代表的な症状には、直接局部で起こる接触性皮膚炎と、接触しない部位に発症する全身性皮膚炎があります。口の中では、頬、下、口唇、歯肉の粘膜に白い斑点やレース状の病変として現れる扁平苔癬(へんぺいたいせん)や舌炎、歯肉炎、味覚異常などの病気があります。全身性のものでは、手のひらや足の裏の小さな水膨れ、顔、手、背中の湿疹のほか、アトピーに似た症状を示すものもあります。

歯科金属アレルギーが疑われる場合どうしたらいいでしょうか。
 まずはかかりつけ歯科医に相談をして、専門の医療機関を紹介してもらい金属アレルギーを調べるパッチテストを受けることが大切です。原因となっているアレルゲン(アレルギーを起こす物質)を突き止め、直接の原因となっている金属を取り除く治療を行います。除去した後は、金属アレルギーが比較的少ない金属に換えますが、種類によっては保険外となるので注意が必要です。
 近年では、保険適用の樹脂(コンポジットレジン)も以前より強度が上がり、使用できる範囲も広がっていますが、修復物の大きさや治療する部位によっては適応が難しいケースもあります。除去した後、そのままの状態にしておくわけにはいきませんので、事前にかかりつけ歯科医と十分に相談してから治療を受けることをお勧めします。