2013年12月11日水曜日

パニック発作への対処

ゲスト/時計台メンタルクリニック 木津 明彦  院長

自律神経とパニック障害の関係について教えてください。
 皆さんがよく耳にする自律神経とは、手足などを動かす体性神経とは対照的に、循環、消化、発汗といった自分の意志によらない機能を制御する神経です。自律神経は交感神経と副交感神経に分類され、それぞれまったく逆の働きをしています。
 交感神経系は昔から「闘争か逃走か」の神経といわれ、怒りや恐怖、不安、緊張が生じるときに作動します。交感神経が興奮すると心臓の拍動が高まり、血圧は上がり、呼吸が速くなります。体温を高めて筋肉を緊張させ、闘争や逃走の態勢を整える役割を果たします。
 交感神経の活動は、本来私たちを外敵から守るための反応です。これがなければ、動物も人もサバイバルできません。しかし、必要のないときに交感神経が興奮してしまうのは厄介なことです。例えていうなら火事ではないのに警報器が鳴るようなものです。このような病態の一つがパニック障害です。

パニック発作の対処法について教えてください。
 パニック障害は、ある日突然、動悸(どうき)や呼吸困難などの発作が起こり(パニック発作)、その発作が何度も繰り返される病気です。発作自体は短い時間で治まりますが、「また発作が起きるのではないか」という不安感に襲われ、それが新たな発作を引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。
 自分でできるパニック発作の予防は、交感神経が興奮しやすい状況を作らないことです。カフェインなどの刺激物を控え、鉄や亜鉛などのミネラルをしっかり取ること。糖分の取り過ぎにも注意し、高血糖に引き続く低血糖にならないような食生活を心掛けてください。適度の運動や疲れをためないことも大切です。
 病気についての正しい知識や不安を増幅させない心の持ちようも効果があります。発作が起きても「これは警報器の誤作動。決して死ぬわけじゃない」と判断できれば、あわてて救急車を呼ぶことはありません。
 発作が繰り返されるとき、不安が強いときは医療機関で診てもらいましょう。受診の際は、心療内科、精神科、内科、婦人科など、必要に応じた診療科を選ぶことが重要です。初診時の問診は、心の症状が身体的な問題から生じていないかなどを判断する大切な情報になります。普段の食生活、貧血の既往、糖尿病の家族歴、月経の状態などを把握しておくことが望ましいです。