2013年6月5日水曜日

手のしびれ


ゲスト/札幌宮の沢脳神経外科病院 村上 友宏 医師

―手のしびれの原因にはどのようなものがありますか。
 しびれは、血液の流れが滞っていたり、神経がどこかで圧迫されていたり、神経自体が傷ついたりするときなどに起こります。その原因は大きく分けて二種類あります。
 一つは脊髄や神経根の障害です。代表的な病気として頸椎(けいつい)症や頸椎椎間板ヘルニアがあります。頸椎症は首の骨(頸椎)の一部に骨棘(こつきょく)と呼ばれる突起が生じ、頸椎椎間板ヘルニアは骨と骨の間にあるクッションのような柔らかい組織が飛び出し、それが脊髄や、手に分布する神経を圧迫するために手のしびれ、脱力が生じてきます。頭を前や後ろに反らすとしびれが強くなることがあります。
 もう一つは末梢(まっしょう)神経の異常で、その神経の支配している範囲がしびれます。代表的なのは、中年以降の女性に多い手根管症候群です。これは、正中(せいちゅう)神経が手首の関節の使い過ぎによる靭帯(じんたい)の肥厚や炎症により圧迫されておこります。
 このほか、脳梗塞などの脳の病変(特に、視床)や血流障害、糖尿病のような全身性の病気など、さまざまな原因で手がしびれます。

―頸椎症について詳しく教えてください。
 首は重い頭を支えており、動きもダイナミックです。そのため負担も大きく、これが骨棘(こつきょく)のできる原因であると考えられています。従って、高齢者に多いのが特徴で、ひどくなるとピリピリしたしびれからビリビリした痛みに変わったりします。進行すると、腕や指の動きも悪くなり、足がしびれたり歩きにくくなったりします。
 頸椎症は、頸部のエックス線で診断可能です。他にもコンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行って脊髄や神経の圧迫の程度などを知ることができます。
 初期の治療は、神経やその周囲の炎症や痛みを抑える薬、筋肉を柔らかくする薬を服用して、症状を緩和します。首を固定するネックカラー(腰でいう、コルセット)をする場合もあります。腕の力がない、細かい指の動きができない、歩きにくい、排尿しにくいといった場合では、手術が必要になることがあります。
 頸椎症は、治療を行わなくても症状が軽減することもあり、「軽いしびれだから」と我慢している人も多いようですが、日常生活に不便を感じるようになったときはすぐに病院に相談してください。早期に治療すれば回復も早くなります。