2013年5月8日水曜日
ストレスと自律神経
ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 院長
ストレスと自律神経の関係について教えてください。
仕事や家事が立て込んで気分が重くなったり、地域や職場での人間関係に悩まされたり…。現代社会はストレス社会であり、私たちは、毎日いろいろなストレスを感じて暮らしています。育児や老後の不安、家計の心配、突然の離職や失業、家族や親しい人の死や病気など、身体的・精神的ストレスの原因は人によって千差万別です。一般的に自分を抑えがちな人、小さい事をいつまでも気にしてしまう人、短気で好戦的な人などは、ストレスをため込みやすいといわれています。
ストレスが大きくなると自律神経がうまく働かなくなります。自律神経は交感神経と副交感神経という二種類の神経が、補い合いながら働いて、健康を保つのに必要な心臓や呼吸などの働きを調節する神経です。自律神経は体の隅々まで張り巡らされているので、何らかのストレスで自律神経のバランスが崩れると、心身に多様な異常をもたらします。ストレス太り、高血圧、不眠症、胃炎、食欲が出ない、疲れが抜けない、下痢や便秘、体のかゆみ、口が渇く、体調不良、肩凝り、口内炎、イライラする、胸が苦しい、発汗、手足がほてるまたは冷たくなるなど、症状は実にさまざまです。
ストレスを解消するにはどうすればいいですか。
ストレスを発散し、ため込まない工夫としては、例えば、ゴルフやテニスなどの運動で汗を流す、ショッピングやドライブ、料理、習い事などの趣味を楽しむ、自宅ではラフな格好に着替え、靴下をぬぎ、入浴はぬるいお湯にゆっくりと漬かる、就寝前に適量のお酒を飲むなどが推奨されます。クラシックやバラードなど“癒やし系”の音楽を聞いたり、友人と長電話でおしゃべりをしたりするのもいい気分転換になりそうです。旅行の計画を立てる、趣味のサークルに参加し交流を楽しむ、お笑い番組を見て思いっ切り笑うなど、自分流のストレス対処法を見つけることも大切です。
それでも体調が回復しない場合は、病院の受診を考える必要があります。重症化すると、うつ病や社会不安障害、周囲とうまく交われない適応障害、体に症状が出る心身症、突然動悸(どうき)や息苦しさに襲われるパニック障害といった別の病気へと進行し、社会生活に支障を来してしまう可能性もあるので、早めに適切な治療を受けることが大事です。
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