2013年3月13日水曜日

大腸がんの予防


ゲスト/琴似駅前内科クリニック 高柳 典弘 院長

大腸がんの予防について教えてください。
 わが国における大腸がんの死亡者数・罹患(りかん)者数はがんの中でも上位にあります。女性のがん死亡原因の1位、男性の3位となっており、罹患者数は男女ともに2位です。
 国内外の研究結果などから、大腸がんの“確実”な危険因子(リスクファクター)として、以下のようなことが挙げられています。
 ①親や兄弟など直系の家族に大腸がんの人がいる(家族性大腸腺腫症、遺伝性非ポリポーシス性大腸がん)②肥満(特に男性の結腸がんリスクが高まる)③喫煙の習慣 ④大量飲酒の習慣 ⑤牛、豚、羊などの赤肉、ベーコン、ハム、ソーセージ、サラミなどの加工肉の過剰摂取 ⑥運動不足(特に男性の結腸がんリスクが高まる)
 一方、大腸がんの予防法として最近発表された複数の大規模な研究結果から、これまで“確実”とされていた野菜や、“可能性あり”とされていた果物の摂取については、予防的な関連が“認められない”“可能性を示唆する”という結果に変更され、“確実”な予防法は「運動」であるということが証明されています。また、大腸がんと診断された治療中や治療後の患者さんにおいても、運動が死亡率を低くすると報告されています。

具体的にはどのような運動が適していますか。
 歯を食いしばって頑張るのではなく、笑顔が保てる程度に無理なく体を動かす「ニコニコペースの有酸素運動」、やや早足で歩くかゆっくりとしたジョギングなどが勧められます。仕事中でもよく体を動かせば、がんのリスクは低下するので、それほど構えた運動である必要はありません。運動の種類より、むしろ運動する時間や運動を継続することが重要です。毎日1時間ぐらい元気に歩き、週に1度は汗が出るような適度な運動を行うのが効果的です。運動嫌いの人でも、家事や掃除、庭づくり、サイクリング、水泳など、何でも良いので、とにかく毎日1時間ぐらいは体を動かすよう心掛けてください。テレビや机の前に座って、一日中ほとんど体を動かさない、そういう生活がよくありません。
 大腸がんは早期発見・治療ができれば、治癒率が高いことが知られています。二次予防として40歳を過ぎたら、便潜血検査を中心とした大腸がん検診も定期的に(年に1回が目安)受けることも忘れないようにしましょう。