2013年3月6日水曜日

関節リウマチ患者の妊娠・出産


ゲスト/佐川昭リウマチクリニック 佐川 昭 院長

関節リウマチ患者の妊娠・出産について教えてください。
 関節リウマチの患者さんの約3割は20〜30代に発症しています。女性に多い病気であるため、治療中の妊娠・出産は人生の重大な問題となります。
 関節リウマチは妊娠中に症状が軽くなり、産後に悪化する傾向があるため、かつては妊娠に否定的な見解も少なくありませんでした。しかし、近年の医療の進歩に伴い、治療薬の種類が増え、効果の高い薬も登場し、病気を上手にコントロールしながらの妊娠・出産が可能と考えられるようになってきました。
 患者さんのもう一つの大きな不安は、妊娠経過や胎児への薬の副作用です。関節リウマチの薬の中には、妊娠経過や胎児に悪い影響を与える可能性のある薬があります。しかし、そのような禁忌薬を避けたり、妊娠を希望する一定期間前に服用を中止することによって、妊娠・出産は十分に可能です。また、患者さんが妊娠に気付かずに禁忌薬を飲んでしまったケースでも、ただちに出産を諦める必要はありません。リスクの高低を確認できれば、科学的根拠に基づいた出産の助言もできますので、まずは主治医とよく相談してください。

関節リウマチの薬と妊娠について専門家と相談できる窓口はありますか。
 2005年10月に厚生労働省の事業としてスタートした「妊娠と薬情報センター」があります。専門の医師や薬剤師が、関節リウマチの薬以外にも、風邪やインフルエンザの薬、てんかんやうつ病などの薬、アレルギー薬など、妊娠中の女性の服薬に関する相談に当たっています。情報センターでは世界各地から論文を集め、寄せられた相談に対応。日本では妊婦への影響が検証されていない薬でも、過去にどのような事例が報告されているかなどの情報を提供しています。また、相談者から承諾が得られれば、妊娠中や出産後の状況などを報告してもらい、データの蓄積や分析を進めています。
 関節リウマチの治療を続けながら、妊娠・出産を迎えるためには、薬を上手に使うことが大切です。根拠のない不安で妊娠を諦めたり、使うべき薬を使わずに悪化させたりするのは最悪のケースといえます。悩みのある方は、情報センターに相談してみるのもいいでしょう。詳しくは情報センターのホームページhttp://www.ncchd.go.jp/kusuri/をご覧ください。