2012年10月17日水曜日

強迫性障害


ゲスト/医療法人社団 正心会 岡本病院 山中 啓義 副院長

強迫性障害とはどんな病気ですか。
 強迫性障害は不安障害の一型であり、生涯有病率は1~2%程度です。男女比はほぼ同等で、平均発症年齢は20歳前後、男性がより早期発症の傾向があり、女性では結婚や出産に関わる時期の発症が多いとされています。
 強迫性障害の中核をなす症状は、反復的・持続的な思考や衝動、イメージにとらわれる「強迫観念」と、手洗い、確認などの繰り返しや儀式行為、数を数えるなど心の中の行為を含む「強迫行為」からなります。例えば、急いで外出したが鍵を掛けたか、試験に間違った答えを書かなかったか、手を洗ったが、まだ汚れがついているのではないか、大事な物を捨ててしまったのではないか、不吉な数が過剰に気になるなど、きっと間違いないと思いながら不安になるが、もう確かめようがない、この不安感を極端にしたものが、この病気の特徴といえるでしょう。一般的に、この病気の人たちは、このような観念、行為の無意味さや不合理性、過剰性を十分に認識し、何とかコントロールしようと試みているものの、不安に圧倒されて思うようにならず、大きな葛藤やストレスを感じています。このような不安や緊張、ストレスにより「うつ病」を合併することも多いとされています。

強迫性障害の治療法について教えて下さい。
 これらの症状が日常生活、社会生活に支障を来していれば、治療が必要となります。治療法はいくつかありますが、まずは薬物療法が有効とされています。第一選択薬としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)である、パロキセチン、フルボキサミンが、第二選択薬として三環系抗うつ薬であるクロミプラミンが有効とされています。これらの効果はゆっくり現われますので、8~12週間は継続してみるべきでしょう。
 また、カウンセリングとして、「認知行動療法」、「暴露反応妨害法」という治療法も有効とされています。これらの施行に当たっては、症状の程度なども含め、担当医との相談が必要となるでしょう。大切なことは、強迫性障害という病気の特徴を知ることです。そして、この病気は性格や意志の弱さとは関係ないことです。治療は長期にわたる場合もあります。状態に一喜一憂せず、ゆっくりと回復を待ちましょう。思い当たる症状があれば、まず精神科・心療内科を受診して相談してみてください。