2012年2月29日水曜日

入れ歯

ゲスト/庄内歯科医院 庄内 淳能 院長

入れ歯にはどんな種類がありますか。
 取り外しのできる人工の歯のことを入れ歯と言います。失った歯を治療する方法の一つです。入れ歯は大きく分けて、部分入れ歯と総入れ歯の二つがあります。部分入れ歯は、失った歯の本数に関係なく、部分的に歯が失われた場合に使われ、総入れ歯は歯を全て失った場合に用いられます。
 部分入れ歯は、人工の歯と、歯を支える部分(義歯床)、自分の歯に掛けるバネの三つの部分からなります。取り外しができ、手入れが簡単であることや、失った歯が1本の場合から多数の場合まで対応できることなどが特徴ですが、義歯床がプラスチックなどで作られている場合に違和感を感じやすいことや、バネの部分が外から見えるため審美性に劣ることなどのデメリットもあります。口腔(こうくう)内の違和感や審美的な問題を解消するために、自費診療の治療として、義歯床が金属の入れ歯やバネのない入れ歯、マグネット式の入れ歯など、新しいタイプの入れ歯も登場しています。それぞれに特徴があり、患者さんの口腔内の状態によって向き不向きがあります。歯科医師とよく相談して決めるのがいいでしょう。

入れ歯のアフターケアについて教えてください。
 入れ歯を初めて入れた時はぎこちなく感じるものです。歯茎が腫れたり、傷ついたりすることがあるかもしれませんが、そこからが治療のスタートだと考えることが大切です。時間をかけて少しずつ調整を重ねて、個々の歯茎に合った入れ歯を作り上げていきます。完全な調整が終わるまでには、かなりの時間(回数)を要する場合があることを理解してください。少しでも痛みを感じるときは、決して我慢せずに、すぐに歯科医院で調整してもらいましょう。入れ歯の調整は繊細な作業なので、自分で調整するのは絶対に禁物です。入れ歯の調整のほかに、入れ歯の周りの歯の状態も確認しなければなりませんので、定期的な検診も必要になります。
 入れ歯にはいろいろな素材が使われています。素材によって性質が異なるため、ケアの方法にも違いがあります。自分の使っている入れ歯の素材をきちんと知り、それぞれに適したケアを行いましょう。
 歯茎の状態は毎日変化していますので、時間が経てば必ず入れ歯は合わなくなってきます。約2年を目安に、新しく作り替えることをお勧めしています。

2012年2月15日水曜日

関節リウマチの診断と治療

ゲスト/北海道内科リウマチ科病院 清水 昌人 副院長

関節リウマチとはどのような病気ですか。
 関節リウマチは原因不明の自己免疫性疾患の一つです。細菌やウイルスから自分を守るべき白血球(リンパ球)が、自分の関節を攻撃し関節に炎症を引き起こします。全ての関節が侵される可能性がありますが、比較的小さな関節に起こることが多いのが特徴で、関節炎が長く続くと関節の軟骨や骨が破壊され、関節が変形を起こすようになり、日常生活に支障を来します。また、炎症が強い場合には全身症状として微熱、倦怠(けんたい)感を来し、さらに関節外症状として間質性肺炎、胸水などの肺病変や血管炎(下腿(かたい)潰瘍やしびれなど)などを合併することもある全身性疾患です。

関節リウマチの診断と治療について教えてください。
 2010年に関節リウマチの分類基準が改定されました。新しい基準はより早期に関節リウマチの診断を確定し、早期治療による患者さんの予後改善に寄与しています。関節リウマチの診断は、専門医による問診、診察、検査などから判断しますが、血液検査やレントゲン検査のほか、最近では関節エコーや関節MRI(磁気共鳴画像装置)による検査が有用と考えられています。通常の検査では検出できない炎症を発見できる関節エコーや関節MRIは、早期診断に利用するだけでなく、より正確に病状を評価しそれに基づいて治療を強化することで、患者さんの予後を改善することも期待できます。
 治療の中心は薬物療法で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐことが目標です。抗リウマチ薬の投与を開始し改善に乏しければ、痛みだけでなく、関節破壊の進行も抑制できる生物学的製剤(現在6種類)の導入を検討します。生物学的製剤は、患者さんの約80%に効果があり、効果発現が早いという特徴があります。また、抗リウマチ薬の中心として使われてきたメトトレキサートが昨年2月より最大8錠まで増量可能となり、これまで効果が不十分であった患者さんに対し増量により効果が得られるようになりました。
 関節リウマチは全身の病気なので、薬物治療のみでなく、一般内科、整形外科、リハビリ科など診療科を超えた医療連携、チーム医療が重要となります。手首、足趾(そくし)、特に手指の関節に原因不明の痛みや腫れのある方は、関節リウマチの疑いがありますので、一度専門医を受診されることをお勧めします。

2012年2月8日水曜日

目の屈折矯正手術(レーシック)

広域医療法人社団メディカルドラフト会 錦糸眼科 矢作 徹 医師

レーシック治療を受ける際のポイントを教えてください
 イントラレーシックなどの屈折矯正手術は、必ずしも緊急性・必要性がある治療ではありません。メガネやコンタクトレンズの使用で悩んでいる方にとって、屈折矯正手術は生活をより快適に変えてくれる新しい選択肢ですが、治療を希望される方は、カウンセリングや診察で十分に説明を受けて、屈折矯正について正しく理解し、そして十分に納得した上で治療に臨むことが大切です。
 レーシック治療にはいくつかの種類がありますが、個々の目の状態によって最もふさわしい術式を選ぶことも重要です。現在は視力向上のみならず、収差(夜間の見えにくさの原因)を補正するアスフェリック(非球面)照射など、見え方の質も向上させる術式も登場しています。使用するレーザー装置の性能も重要です。
 性能の高いレーザー装置を使用しても、治療に必要な検査結果や術者の経験が不足している場合などは、望んでいる結果が得られないこともあります。長くレーシック治療に携わり、症例数の多い医療機関を選択するのも、レーシック治療を受ける際のポイントの一つです。実際に医療機関を訪れた時、検査や治療に関する説明が不十分と感じた場合には、セカンドオピニオンを求めて他の医療機関を受診することをお勧めします。また、治療費は自由診療となり、当院では両眼で8万〜33万円です。なお、費用は医療機関により異なります。

レーシック治療の予後について教えてください。
 現在に至るまで数多くの症例が報告されているレーシック治療は、視力に悩む方にとって、裸眼で生活できる可能性が高まる治療法です。しかし、治療を受けることで必ずしも1.0以上の視力になるとは限りません。
 レーシック治療は、レーザー装置に角膜の度数・曲率半径・照射域・形状などのデータを入力し、角膜をレーザーで削り、角膜の屈折率を変え、網膜にピントを合わせて視力を矯正する手術です。ただし、データの測定値には多少の誤差が生じます。また、測定できない角膜の含水量によっても切除量が変化します。こうしたさまざまな要因が治療に影響し、術後も矯正が不足し、再治療が必要なケースもあります。
 術後、良好な視力が得られた場合でも、パソコン作業などで近くを見続ける環境にいると、再び近視が現れることもあります。その予防として、術後に近視予防のメガネを渡している医療機関もあります。詳しくは、初診検査時に医師にお尋ねください。

2012年2月6日月曜日

現代人の顔の骨格と歯並び

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 院長

現代人の顔の骨格の特徴について教えてください。
 昔の日本人の顔は、顔幅が広く、顎がしっかりした骨格が一般的でしたが、最近の若い世代の顔の骨格は、顎がせまく、したあごがとがった面長型が非常に多く見られます。日本人の食生活が急激に変化し、軟らかい食べ物が主流となった昨今。咀嚼(そしゃく)回数が極端に減り、顎や口周辺の筋肉が衰えたことが原因だといわれています。
 また、日本人の頭の形を容器に例えると、丸い容器で、欧米人は縦長の容器だといえます。縦長の容器は奥行きがあり、きれいに歯が並びますが、同様の数の歯を丸い容器に入れようとすると、奥行きがないため、どうしても無理が生じてきます。結果、奥の歯が内側に倒れ、歯が凸凹に生えてくるのです。これを不正咬合(こうごう)といいます。最近の研究で、現代人は歯のサイズが大きくなっているという報告がありました。現代人の永久歯の標準本数は28本ですが、若い世代では24本しか生えていない人も珍しくありません。このように、顎が狭くなったことで、現代人は歯にさまざまなトラブルを抱えるようになったのです。

歯科矯正を始めるための適切な時期について教えてください。
 食生活の変化により、今後も若い世代の不正咬合は増えていくでしょう。成長期にある子どもは、成長を利用しながら理想的な噛(か)み合わせに誘導していくことができます。注意したいのは、歯科矯正を始めるタイミングは個々で違うということ。お子さんの歯並びが気になるという人は、就学時前に一度、矯正歯科で検診を受け、治療を始める適切なタイミングを医師に診断してもらうことをお勧めします。
 正しい歯並びを得ることで、食べ物をしっかり噛んで食べられるようになることはもちろん、発音もよくなり、また審美的にもきれいな口元になります。口元にコンプレックスを感じている人にとっては大きな自信となるでしょう。日本では歯科矯正に対する認識が欧米に比べるとまだ低く、矯正治療に抵抗感を示す人も少なくありません。しかし、歯科矯正は、他の病気を治すのと同じように、歯の正常なそしゃく機能を回復することと、健やかな体を作るために必要な治療です。少しでも気になることがあれば、気軽に専門医に相談してみてください。