2011年9月26日月曜日

大腸がん

みどり内科クリニック 中里 友彦 院長

大腸がんについて教えてください。

 日本では今、大腸がんが増えてきています。その原因の一つとして、食生活の欧米化が挙げられます。また、大腸がんの一部は遺伝により発生するといわれています。身内に大腸がんの方がいる場合には、検査をお勧めします。
 年齢別にみた大腸がんの罹患(りかん)率は、40歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなります。2005年の国立がん研究センターの統計では、日本人の男性で8〜9%、女性で6〜7%の方が大腸がんを発症しています。
 がんの治療では、早期発見・早期治療が何よりも重要です。特に大腸がんは初期に発見し、手術を受けることで完治も可能ながんといわれています。また、内視鏡治療のみで治癒することも多い病気です。
 早期の大腸がんでは、自覚症状がないのが大部分です。このため、がんの表面から微量の血液が便に混ざることから、これを検出することでがんを発見しようとするのが便潜血検査です。簡易な検査ですが、大腸がんでも検査異常が出てこないケースもあります。大腸がんの早期発見に比較的精度が高い検査は、現在のところ大腸内視鏡検査といえるでしょう。

大腸内視鏡検査について教えてください。

 大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を挿入し、大腸内部を直接観察する検査です。検査前に約2リットルの下剤を服用し、大腸内の便をなくすための処置が必要です。検査時間は10分程度ですが、大腸が長い方、過去の手術で腸に癒着のある方、大腸憩室症(大腸の壁が弱く、大腸に小さなへこみができた状態)で大腸が硬くなっている方などは、30分〜1時間かかるケースもあります。
 大腸内視鏡というと、どうしてもつらく苦しい検査を想像してしまう方が多いと思いますが、技術の進歩により、従来に比べて検査は楽になっています。また、施設によっては鎮痛・鎮静剤を用いた、より苦痛の少ない検査を実施しているところもあります。
 これまで“つらそう”“痛そう”とためらっていた皆さんも、ぜひ大腸内視鏡検査で自分の腸の状態をしっかり調べてみてください。検査の間隔はポリープの有無などによって異なりますが、基本的には40歳代では「まずは一度」、50歳代以降では1年〜数年ごとに検査されることをお勧めします。