2010年10月13日水曜日

「歯科矯正」

ゲスト/E-line矯正歯科 上野 拓郎 院長

なぜ、歯科矯正が必要なのですか。
 初対面の人を見るとき、歯並びやかみ合わせは、顔の印象を決める大きな要因の一つです。実際患者さんの中には、歯並びが悪く「口をあけて笑うことができない」「人前で話したくない」など、見た目のコンプレックスから歯科矯正を始める人が多いのも実状です。しかしながら、歯並びやかみ合わせを治すということは、ただ審美的にきれいな口元を作り出すことだけが目的ではありません。
 歯並びが悪いと、歯磨きが隅々までできず、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。しっかりとかんで食べることができないので、胃腸など消化器官にも大きな負担がかかります。また、かみ合わせが悪いと、肩凝りや頭痛、顎(がく)関節症の原因にもなります。前歯がかみ合わない開咬(かいこう)や、下のあご(歯)が出ている反対咬合(こうごう)などのケースでは、発音に影響する場合があります。さらに、正しいかみ合わせでよくかむという事は、脳の発達に良い影響を及ぼすという研究結果もあります。
 きれいな歯並びを持つことは、口の中の健康、そして全身の健康を維持することにつながります。歯科矯正は、他の病気を治すのと同じように歯の正常なそしゃく機能を回復することと、健やかな心と体をつくるための歯科治療なのです。

歯科矯正を始める時期について教えてください。
 年齢に上限はありませんが、成長期にある子どもは成長を利用しながら治療を進められるので、条件がより有利になるといえるでしょう。子どものうちに適切な検査・診断を受け、必要であれば矯正治療を行ってきれいな歯並びにするのが理想的です。
 日本では歯科矯正に対する認識が欧米に比べるとまだ低いといえますが、近年は成人の矯正治療も増加傾向にあります。成人矯正の大きな問題点であった矯正装置の見た目の問題も、矯正装置(ブラケット)を歯の裏側に付ける見えない治療方法や、表側でもセラミックや人工ダイヤなどの素材を使った目立たない治療が可能となっています。また、金属アレルギーに対しては、チタン製やニッケルの含有量の少ないブラケットやワイヤーも開発されています。
 歯並びやかみ合わせのタイプや程度によって治療に最適な時期や内容は異なりますので、まずは専門医に気軽に相談してみてください。

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