2010年9月15日水曜日

「白内障」

ゲスト/大橋眼科 大橋 勉 院長

白内障の症状・治療について教えてください。
 白内障は瞳の後ろにあるレンズ(水晶体)が濁るために起きる視力障害です。40歳以上の人に多くみられ、最も多いのは加齢に伴う老人性白内障です。主な自覚症状としては目のかすみ、ガスがかかったような視力低下、明るい場所で見えにくいなどが挙げられます。治療には主に点眼薬が投与されますが、老化現象の一つで、最終的には手術が必要になります。

白内障の手術はどのようなものですか。
 日本で白内障の手術は、眼科手術の約8割に及ぶ年間100万件くらい行われているといわれています。現在最も一般的に行われている手術法は、水晶体を包んでいる袋を残し、袋の中の濁りを超音波で細かくして取り除き、その袋の中に人工レンズを挿入するものです。安全性の高い手術ですが、それぞれの目によって症状、程度、状況が異なるため、同じ白内障の手術でも、手術の難易度に差があります。手術のしにくい目としては、小さな目や奥目、角膜に濁りがある目、水晶体を包む袋を支えているチン小帯が弱い目などが挙げられます。
 最も合併症が起きやすいのは、進行して真っ白になった白内障です。進行した白内障の濁りは非常に固く、超音波で細かくすることが難しかったり、袋を支えるチン小帯が弱くなっていることが多く、このためレンズを入れる袋が支えきれず、濁りが目の中に落下するというような合併症が起こる可能性が高くなります。
 また、片方の視力が良いため、もう片方の進行した白内障を放置している人が最近増えています。白内障の進行は左右の眼でバラバラということも多いので、放っておかず早めに検査を受け、治療することをお勧めします。進行して白内障が固くなりますと手術の難易度が高くなります。白内障の重度の合併症としては術後に、眼内で細菌が繁殖し、網膜が障害を受け、失明に至るケースがあります。これは数千人に一人というごく珍しい状態ですが、ただちに硝子体手術を行うと救われる事もあります。最近では、従来の白内障治療では実現できなかった老眼治療にも対応した、遠くも近くも見える多焦点レンズや、乱視を矯正するトーリックレンズなどのレンズの選択の幅も増えています。