2010年8月11日水曜日

「子どもの歯科矯正治療」

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治 正光 院長

─子どもの矯正治療について教えてください。
 お子さんの歯並びが気にかかり、矯正が必要かどうか判断に迷われる人も多いと思います。子どもの歯並びのチェック方法の一つとして、お子さんの口元を顔の正面から観察することをお勧めします。上の前歯と下の前歯の真ん中が一致していればひと安心ですが、ずれている場合は、矯正の必要が考えられます。
 出っ歯や受け口といった上下の顎(あご)が前後に大きすぎたり小さすぎたりという骨格的な問題は、一般の人にも気付きやすいのに対し、左右のずれは発見しづらいものです。自然な矯正治療なら、顎骨(がっこつ)の成長コントロールが可能な9〜10歳までが理想的です。この時期なら就寝時に、バイオネーターやFKO(エフカーオー)と呼ばれる機能的顎(がく)矯正装置を装着し、ずれた顎の骨を中央に移動させます。子どもの成長能力を生かしたもので、痛みはほとんど感じられず、日中は装着する必要がありません。ずれの程度にもよりますが、装着期間は平均で半年から1年。経過観察のための通院は、1カ月から3カ月に1度が目安です。
 ずれの原因には、歯そのものがずれている場合もあり、永久歯がそろってからでも治療は可能です。その場合は、抜歯をする可能性が高くなりますが、きれいに治療できます。判断は非常に難しいので、ぜひ専門医にご相談ください。

ほかに、家庭でできるチェック方法はありますか。
 ほおづえやかみ癖、就寝時の体位が左右どちらかに大幅に偏っている場合などは、左右のずれを引き起こす原因となることがあります。上の前歯と下の前歯の中央が一致しているのを確認したら、次は鼻の先端を基準に、顔の中央に前歯の中心が沿っているかを確認してください。ずれの原因は一見して分かるものではなく、万が一、骨格のずれを歯のずれと勘違いして放っておくと、矯正に最適な成長期を逃してしまう危険性もあります。
 子どものうちの悪い歯並びやかみ合わせを放置してしまうと、大人になってから心理的な悪影響を及ぼしたり、虫歯や歯周病、顎関節への影響が出てきたりします。小児期に歯並び・かみ合わせの治療を行うことでこれらの心配を予防することができます。少しでもおかしいなと思ったら、早めに専門医に相談することをお勧めします。