2009年10月7日水曜日

「鼻から入れる内視鏡」について

ゲスト/やまうち内科クリニック 山内雅夫 医師

鼻から入れる内視鏡について教えてください
 今まで、胃内視鏡検査をする場合、口から入れる経口内視鏡を用いるのが一般的でしたが、最近は、鼻を経由する経鼻内視鏡の使用が増えてきました。経鼻内視鏡はかなり以前からあったのですが、近年性能が格段に良くなったため、導入する医療機関が急増しています。
 弾力性のあるしなやかなチューブで、直径は5㎜台と、一般的な経口内視鏡の9㎜に比べても極めて細く、スムーズに挿入することができます。画像もクリアな高画質で、視野が広く、ごく小さな病変も発見することが可能です。
 経口内視鏡は挿入時、舌の付け根部分に触れるため、吐き気がしたり、苦しかったりで、患者側の負担が大きかったのですが、鼻から入れると吐き気をもよおすこともなく、痛みもほとんど感じません。診察中に医師と会話ができることも、医師と患者双方にとって大きなメリットになっています。
 また、鎮静剤の使用は不必要ですので、検査後ただちに車の運転なども可能です。

実際にはどのように行いますか。
 上腹部症状のある場合はもちろん、たとえ無症状でも中年期以降の方には定期的な胃カメラによる検査が望まれます。
 まず、鼻づまりがあるか、鼻血が出やすいかなど鼻の状態を確かめます。鼻の状態によっては、経鼻内視鏡ができないこともあります。前処置として、鼻腔(びくう)に局所血管収縮剤をスプレーし、鼻の通りを良くして出血をしにくくします。鼻腔に麻酔薬を注入してから、麻酔薬を塗った内視鏡と同じ太さの柔らかなチューブを挿入し、鼻腔の局所麻酔を行います。これによって、内視鏡が通過するときの痛みが抑えられます。局所麻酔なので、眠くなったりすることはありません。この後、内視鏡が鼻から挿入され、鼻腔、のど、食道、胃、十二指腸と順次観察がなされ、通常数分以内に終了します。
 がんや潰瘍(かいよう)など、食道や胃、十二指腸などの疾患は、早期発見、早期治療が完治への近道です。経口内視鏡を嫌うあまり受診が遅れて症状が進行していることもあります。鼻からの内視鏡は患者側の負担が少ないので、内視鏡検査が苦手でちゅうちょしている人は、一日も早く医師に相談してほしいと思います。