2009年6月17日水曜日

「メンタルクリニックの受診」について

ゲスト/優メンタルクリニック 久保 隆一 医師

メンタルクリニックはどういうときに受診するのですか
 メンタルクリニックには、さまざまな方が来院します。具体的な適応症状としては、不眠、不安、うつ、パニック、神経過敏、強迫症状、不登校、過呼吸、動悸(どうき)、体の違和感、下痢、頻尿、過食、嘔吐(おうと)、リストカットなどです。
 よく患者さんから「私は病気なのでしょうか?」と尋ねられますが、自ら病気では、と疑えるということは、少なくとも正常な判断力のある根拠の一つとなります。原因不明の痛みなど、身体的な検査では分からないつらい症状や、薬では治まらない症状も、心から安心することで取り除ける場合が多々あります。薬に頼った治療から、何とか減らしたいという方もいます。精神症状に対する最も大切な薬は化学薬品ではありません。服薬量の大幅な削減に成功した方も数多くいます。
 「性格を変えたい」と言って来る方も多いのですが、その意志と努力だけでも十分に尊敬に値します。治療で大切なのは、症状を強引に押さえ込むことではなく、症状が消退する環境をつくることだと考えます。

どのような治療を行うのですか。
 治療の一つは、身体、個人、自我等の養生など、本人による過去の治療を行います。認知療法、原因療法、行動療法、STT(生活技能訓練)、薬物療法などです。
 もう一つは、精神、心、家庭、病院等のマザーリングなど母性による現在に対する治療。洞察療法、対症療法、嫌忌療法、交流分析療法、伴侶的精神療法、配偶者療法などです。
 さらに、関係、社会、環境、職場等の社会修正など父性による未来の治療があります。父母カウンセリング、対人療法、家庭内システムのゆがみの修正である家族集団療法などです。
 スイスの精神医学者であり分析心理学の創始者であるユングは、「自分を理解してくれると感じる人に会った場合、精神障害者ではなくなる」と言っています。周囲の理解や共感、肯定が、人間にとって大変重要なのです。メンタルクリニックの精神療法とは、本人も含め、家族全員が安心できる状態を作ることです。