2002年5月15日水曜日

「紫外線の影響」について

ゲスト/かとう皮フ科クリニック 加藤文博 医師

紫外線が肌に与える影響について教えてください。

 太陽から届く光線は、波長の長いものから赤外線・可視光線・紫外線に分類されます。波長が短いほどエネルギーが強く、肌にダメージを与えます。紫外線を細かく分類すると、波長の長いものから、UV-A、UV-B、UV-Cとなります。UV-Aは皮膚の深い層まで届いてシワやたるみの原因になります。UV-Bは肌が赤く日焼けする原因になります。UV-Cは、DNAを破壊してしまいます。このうち、オゾン層を通過して地表に到達するのが、UV-AとUV-Bの一部で、皮膚の内側から老化に作用し、シミ、シワ、ホクロの原因になります。元々の肌が白いほど紫外線に弱く、黒人よりも白人の方が、また日本人でも肌色が黒い人より、色白で太陽に当たるとすぐ赤くなる人の方が、強く影響を受けます。

効果的な紫外線対策を教えてください。

 紫外線は、5月から7月にかけてが最も強い季節で、時間帯としては午前10時から午後2時ごろまでがピークになります。屋外に出るときは、サンスクリーンと呼ばれる日焼け止めクリームを顔など露出する部分に塗りましょう。日焼け防止を目的とした化粧品には、通常「SPF値」が表示されています。これは、日焼けを防ぐ時間を表しており、日本で日常生活の中で使用するのであれば、10~30程度で十分でしょう。リゾート地などでは、50くらいの数値の高いものを使用しますが、いずれにしても汗などで流れてしまうので、3、4時間おきに塗り直さなければ効果がありません。このほかに、日傘、帽子、長袖など、とにかく直射日光を避ける服装が効果的です。日焼けした子供は健康的というイメージがありますが、30~40歳代で出るシミ、シワ、ホクロは、子供時代からの日焼けの蓄積によって出現するのです。紫外線が原因の皮膚ガンも、最近日本で増えつつあります。オゾン層の破壊によって有害な紫外線が増えていることからも、肌の健康を第一に考えれば、紫外線は避けるに越したことはありません。

人気の投稿

このブログを検索