2006年1月11日水曜日

「正常眼圧緑内障」について

ゲスト/ふじた眼科クリニック 藤田南都也 医師

正常眼圧緑内障について教えてください。

 まず緑内障についてですが、普段、目の中には房水という液体が循環していて、これがなんらかの原因で詰まってしまうと、眼圧が上昇して目が硬くなり、視野が狭くなります。これが一般的な緑内障のイメージです。ところが近年、国内で実施された緑内障疫学調査で、眼圧が正常であっても、緑内障を発症している人が多いという驚くべき結果が出ました。調査を受けた40歳以上の17人にひとりが、なんらかの緑内障を発症していて、その中の半数以上が正常眼圧緑内障であることが分かりました。
 正常眼圧緑内障の大きな特徴として、早期には自覚症状が現れないことが挙げられます。視野が狭くなり、階段でよくつまづくようになった、車の運転中、左側のガードレールばかりにこすってしまう、などの自覚症状が現れた時には、既に末期という危険が高く、放っておくと失明の恐れもあります。また緑内障は、病気が進行しても中心視力は保たれますので、一般的な視力検査で視力に問題がない、信号や新聞の文字がはっきり見えているという場合でも、安心はできません。

どんな治療法がありますか

 緑内障が発見された場合、治療によってそれ以上の進行を防ぐことは可能ですが、失った視野を取り戻すことはできません。ですから早期発見が何より重要です。治療法としては、点眼治療、内服治療、手術が挙げられます。早期であれば、点眼治療のみで高い効果を期待できます。
 ご家族や親戚に緑内障の方がいる場合は、リスクが高まるので注意が必要です。また、現在は発症していなくても、精密な眼底検査によって、今後緑内障にかかりやすい傾向にあるかどうかが分かります。正常眼圧緑内障で重要なポイントは、通常の眼圧検査では異常が発見されないということです。専門医による眼底検査と視野検査の両方を受けて初めて異常が発見されることも珍しくありません。これまで自分は大丈夫だと思っていたり、自覚症状がない場合も、加齢とともに発症することがありますので、気になる方は、一度専門医による検査を受けてみることをお勧めします。