2002年6月5日水曜日

「花粉症」について

ゲスト/おおやち耳鼻咽喉科クリニック 金澤勲 医師

本州では春先のスギ花粉による花粉症が有名ですが、
北海道にもあるのでしょうか。

 春の北海道の花粉症は、シラカバによるものが大半で、時期的には本州より遅い4月中旬過ぎから5月下旬にかけて多く認められます。鼻風邪と症状が似ていますが、鼻、目のかゆみが強く、いつまでも水様性の鼻汁が続くときは、耳鼻咽喉科で診察を受けてください。花粉症が疑われるときは、血液検査などで比較的簡単に原因を調べることができます。シラカバ花粉症の終わるこれからの時期は、カモガヤなどの牧草類による花粉症も多く、油断できません。また、シラカバ花粉症の患者さんには、リンゴ、桃、サクランボなどの果物を食べると、口や喉がかゆくなったり、場合によっては腫(は)れたりする果物アレルギーを合併している場合も多く、注意が必要です。

具体的な防止策、治療法を教えてください。

 花粉の飛散量は、風が強く、よく晴れた日に増加しますから、そのような日は外出を控えたり、部屋の窓を開けないようにした方がいいでしょう。外出先から戻ったら、うがいをしたり、着ていた衣類を外でよく払うなどの配慮も必要です。また外出時にマスクをすることも予防効果があります。ただし防止策だけでは、どうしても限界がありますので、症状がつらい時には様々な薬剤を用いて治療する必要がでてきます。治療の中心となる内服の抗アレルギー剤は症状をやわらげ、最近では眠気が非常に少なく飲みやすいものも増えています。鼻づまりがひどい場合は、ステロイド剤や血管収縮剤などの点鼻薬が有効な場合が多いのですが、つけるとすぐ楽になるからといって、市販されている血管収縮剤を自己流で無節操に使用していると、もっと重症な鼻づまりになる可能性がありますので注意してください。毎年、花粉症に悩まされている方は、原因になっている花粉が飛び始める2週間前くらいから、予防的に抗アレルギー剤を内服すると、そのシーズンの症状が軽減されるといわれていますので、早めに耳鼻咽喉科を受診してみてください。

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