2002年1月23日水曜日

「受け口(下顎前突)」について

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治正光 医師

受け口について教えてください。

 下顎前突、いわいる受け口ですが、原因は遺伝的因子と環境的因子が考えられます。乳歯が生え始めたときから発症する場合もありますから、一番身近に接するお母さんが注意をしていれば早い時期に気づくことができます。治療自体は、上下前歯の永久歯が生え揃う6、7才頃からという場合が多いのですが、気づいた時点で一度専門医を受診しておくと、その後の予測もつき、治療計画も立てられ安心です。受け口に限らず、咬(か)み合わせや歯並びが悪いと、歯にも体にも悪影響を与えます。80歳で20本以上の歯を残している人の中に、受け口の人はいないといわれているのは見逃せない事実です。前歯が刺激を受け続けるため、炎症を起こしやすく、歯槽膿漏(しそうのうろう)などになりやすいためです。また、受け口で舌足らずなしゃべり方をする人は、低位舌(ていいぜつ)の可能性があります。通常、人間の舌というのは上顎に貼り付いているものですが、受け口の場合、上顎が小さいため、舌が下方に貼り付いて、舌と下顎の間の筋が短く、舌が自由に動かないため、うまく発音することができなくなります。大人にも多く見られる症状なので、思い当たる人は一度受診してみるといいでしょう。

受け口の具体的な矯正方法について教えてください。

 受け口というと、下顎に問題があるように思われがちですが、むしろ、上顎が狭過ぎるという場合が意外に多いのです。下顎と大きさを合わせるために、上顎前方牽引装置で上顎骨の前方成長を計ります。この装置は自分で簡単に取り外しができるので、夜間のみの使用でかまいません。見た目や装着の不快感は最小限にとめます。受け口に限らず、歯列や噛み合わせの矯正については、現在、なるべく歯を抜かない、痛みを感じさせない、目立たないといった、患者の負担を極力軽くする治療法が主流になりつつあります。しかし、矯正は長期に渡り、健康保険の適用外になることが多いので、信頼できる専門医から納得できる説明を十分に受け治療を開始することをお勧めします。