2009年1月21日水曜日

「リウマチの診断と治療」についてお話を伺いました。

ゲスト/佐川昭リウマチクリニック 佐川 昭 医師

リウマチの診断について教えてください。

リウマチクリニックを初めて訪れる患者さんは、関節のこわばり、痛み、腫れなどの自覚症状があり、不安に思っている方がほとんどです。医師としては、初期のリウマチを見逃さないよう慎重に診断する必要があります。初期リウマチの発見は難しいものです。初診時の流れとしては、まず、患者さんの話をよく聞いて、「リウマチ」を疑う症状を見つけます。症状が持続的でしつこければ、より疑いが強くなります。本人持参の資料、メモ、検診表などを見て、丁寧に診察します。診察では特に「腫れ」に注目します。握力も大事な診断基準です。診断基準表に記入し、診断の目安をつけます。腫れの具合が分かるよう写真撮影や、その時点で異常がなくてものちに比較が可能なレントゲン撮影も欠かせません。
 MRIやエコーも可能な限り積極的に行います。血清検査はとても有用です。基準値以下でも症状が持続する場合は注意深く観察します。また、不明、未確定で重要と思われるケースについては、多方面から意見を聞き、検討を重ねます。

リウマチの治療について教えてください。

リウマチの完治は難しいですが、良い薬が出ているので、進行させずに上手に付き合っていくことができる場合が多いです。そのためには、早期発見・治療が肝心です。
具体的には、関節破壊を予防するためにできるだけ早くから抗リウマチ薬を使用します。炎症や痛みがある場合は、ステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬を使用する場合もあります。
最近では、インフリキシマブやエタネルセプトなどの生物製剤が出て、リウマチ治療に効果をあげています。症状を和らげるだけでなく、関節の破壊を食い止める効果があり、発症以前と変わらずに生活できる場合もあります。ただし、肺炎など感染症にかかりやすくなる、高価であるなどの問題点もあります。納得できるまで医師に相談するとよいでしょう。
平行して、リハビリや湿布、関節注射、病気を正しく理解するための教育なども必要に応じて行います。関節の変形や脱臼などが起こった場合は、外科手術を行うこともあります。

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