2008年10月1日水曜日

「コンタクトレンズ眼障害」について

ゲスト/阿部眼科 阿部 法夫 医師

コンタクトレンズ眼障害について教えてください。

コンタクトレンズ(以下CL)眼障害は10人に1人程度発生し、慢性の低酸素状態が角膜内皮細胞数の減少を起こし、装用時間の限度を超えると、角膜障害を引き起こしやすくなります。その場合CLの素材変更、装用中止をする場合もあります。コンタクト眼障害は、接触部のアレルギーによるもの、フィッティング不良による機械的な刺激によるもの、涙があたりにくいためのドライアイが原因のものがあり、ハードCL、ソフトCLでそれぞれ特徴のある角膜や結膜の病変をとります。そのほか、もともとアレルギー結膜炎、ドライアイなど目の疾患を持っている場合、装用ルールを守っていても眼障害を起こすことがあります。また、使い捨て(一日交換、1週間連続装用)、頻回交換(2週間)、定期交換(1~3週間)が定められているレンズでは、使用期限を守ることが重要です。しかし、カラーCL,連続装用レンズでは装用ルールを守っていても角膜にかかる負荷は大きく、障害が発生しやすくなります。

正しいレンズケアについて教えてください。

不適切なレンズケアも眼障害の一因です。CLの手入れをする時には、まずせっけんを使って丹念に手指を洗う習慣をつけてください。CL表面の付着物として、脂質、タンパク、化粧品、金属、花粉、常在菌などがあります。ハードCL,ソフトCLとも、こすり洗いが原則です。つけおき洗浄は簡便ですが不完全と心得てください。そしてレンズの種類や汚れの程度でメーカー指定のレンズケア方法を守ることが原則で、途中で簡単な方法に変えないでください。ソフトCLで最近増えている、洗浄、すすぎ、保存、消毒を1液でおこなうマルチパーパススリューション(MPS)も消毒効果はやや弱く、こすり洗いは必要です。また、レンズケースも、2個用意し、毎日ケースの洗浄、乾燥をさせてバイオフィルムの発生を防ぎ3カ月ごとにケースを取り換えてください。
さまざまな装用ルール違反が重なると、細菌、真菌、アカントアメーバーなどの角膜感染症が発生し、重篤な場合は失明というケースもあります。コンタクトレンズ使用には十分神経を使い、問題があればすぐに眼科専門医を受診してください。眼の異常に気付かない場合もあるので、定期検査も重要です。

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