2008年9月10日水曜日

「肝斑(かんぱん)」について

ゲスト/たけだスキンケアクリニック 武田 修 医師

肝斑について、教えてください。

肝斑は、ほほ骨のあたりやこめかみ、口もとなどに現れるシミの一種で、比較的左右対称という特徴があります。このシミが肝臓の形状に似ていることから「肝斑」と名付けられましたが、肝臓の機能とは関係ありません。30代以降の女性に多く、妊娠や出産、授乳などに影響を受けやすいことから、女性ホルモンと関係が深いといわれています。生理や授乳期によって濃さが変わることもあります。老人性色素斑、雀卵斑(じゃくらんはん=そばかす)と見た目が似ていますので、診断は皮膚科医に委ねることをお勧めします。
女性ホルモン以外にも、紫外線、喫煙、カフェイン、ストレスなどが影響しています。一度出てしまうと、治療をしても完治は難しく、日常的なケアの継続が重要になります。シミをより濃くする紫外線対策を季節にかかわらず万全にし、十分に保湿して肌の新陳代謝を促し、強くこするなど皮膚への刺激を避けるようにしましょう。

肝斑を治療することはできますか。

以前から消炎剤として湿疹の治療などに処方されていた「トラネキサム酸」が、肝斑を薄くするということが分かってきました。ほかにも、ビタミンCの内服、美白外用剤、ビタミンC誘導体のイオン導入・超音波導入、針を使わず有効成分を注入するノーニードルセラピーなどを必要に応じて行います。ただし、健康保険適用外となるものも多く、よく医師と話し合って治療方針を決める必要があります。
ほかのシミには効果があるレーザー治療ですが、肝斑は悪化することもあるので注意が必要です。
肝斑は治療によってごく薄くなっても、完治はしないシミです。放っておけば、年を取るごとにシミが濃くなります。日常的なスキンケアと、内服薬や外用剤の使用は長期間続けないと意味がありません。
紫外線対策では日焼け止め剤の塗布が必要ですが、こまめに塗り直すことで効果が持続します。帽子や日傘も併用しましょう。30代以降のシミの原因は、20代までに浴びた紫外線量が影響します。子どものうちから紫外線予防を心掛けましょう。

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