2008年8月27日水曜日

「夏バテ」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 医師

夏バテについて教えてください。

夏バテとは、真夏に食欲がない、疲れがたまる、やる気がでない、物事に集中できない、熱っぽい、体がむくむ、下痢(げり)や便秘が続くなどの症状がでることをいいます。暑い日には、体温上昇を避けるために、血管拡張や発汗で熱を下げ、体温を一定に保とうとします。しかし、日本の夏は高温で湿気が多いため、せっかく発汗しても蒸発しにくく、気化熱で体温を下げにくいのです。
体温調節は自律神経が担当しており、過度に働くことによって負担が掛かり、体温を下げるためのエネルギーを消耗します。自律神経が不調に陥った場合は、消化器官の働きを弱め、食欲減退を引き起こします。 エアコンが普及し、エアコンの入っている屋内とエアコンのない屋内、また屋外で温度差が大きくなったことも、自律神経の負担になっています。食欲減退のほか冷え症、肩こり、めまい、便秘、下痢などの症状が現れることがあります。さらに、一般に睡眠中は体温が下がりますが、真夏は夜間も部屋の温度が高く、寝付きが悪くなり、睡眠不足が続き、疲労がたまって夏バテを招きます。

夏バテ防止のための対策はありますか。

対策として、汗の蒸発を助けるために、皮膚に着いた汗や油やほこりをシャワーで洗い流しましょう。顔を洗う、おしぼり、ウエットティッシュで体を拭き取るだけでも効果があります。 また汗の主成分である水分をたっぷり補給しましょう。水以外にウーロン茶、麦茶でもOKです。室内にいるときはエアコンの温度設定を下げ過ぎないように注意しましょう。温度が高ければ、身体が疲労しますが、低ければ自律神経が乱れます。露出した部分を冷やし過ぎないように、職場などではカーディガンや膝掛けがあると便利です。エアコンや扇風機はタイマーをうまく使って下さい。また、直接体に冷気が当たらないように気を付けましょう。暑さのピークが過ぎても疲れが取れない場合は、医師に相談して下さい。

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