2008年7月16日水曜日

「尖圭(せんけい)コンジローマ」について

ゲスト/アップルレディースクリニック 工藤 正史 医師

尖圭コンジローマについて教えてください。

尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染による性感染症のひとつで、性器や肛門周辺にたくさんのイボができます。HPVには良性型と悪性型があり、尖圭コンジローマは良性型が原因といわれていますが、まれに悪性型が見つかることがあり、悪性型は子宮頚(けい)がん、陰茎がんと関係が深いといわれています。HPVはほとんどの場合、性交や類似する行為によって感染します。コンドームを使用して皮膚や粘膜が触れ合うことを避けることで、多少は予防効果がありますが、広い範囲が感染している場合は、予防できません。手指、器具などを介して感染することもまれにあるようです。
一般に感染してからイボができるまで3週間から8カ月(平均2.8カ月)。潜伏期間が長い上、期間も人によってさまざまなので、症状が現れた時点で「誰から感染したのだろう」と考えても、パートナーが長期間一定していない場合は特定することが困難です。年代としては、20代の男女にもっとも多くみられます。尖圭コンジローマに限らず性感染症にかかったら、パートナーも検査・治療を受けないと、パートナーから再感染する「ピンポン感染」を防げません。

症状、治療法について教えてください。

尖圭コンジローマのイボは、乳頭状、カリフラワー、ニワトリのとさかのような、と表現され、巨大化することもあります。イボ以外にかゆみや痛みがないことから、病気に気付きづらく非常にやっかいです。女性の場合は子宮がん検診や産婦人科の検診で偶然発見されることがあります。
治療は、直接イボをとってしまう外科的療法と、塗り薬の処方が一般的です。手術によって目に見えるイボをとっても、周辺部まで感染が及んでいる場合は再発も考えられます。日本では、2007年12月に厚生労働省から認可された塗り薬があります。これは、週3回就寝前に塗布して、起床後に薬剤を石けん水または温水で流します。
治療は長期に及ぶことが多く、一度治療しても再発する場合があるので、定期的に診察を受ける必要があります。

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