2008年5月21日水曜日

「麻疹(はしか)」について

ゲスト/白石内科クリニック 干野 英明 医師

麻疹(はしか)について教えてください。

麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の感染症で、発熱や咳(せき)、鼻水といった風邪のような症状と発疹(ほっしん)が現れ、肺炎、中耳炎、脳炎などの合併症を発症することもあります。感染経路は、空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染で、免疫を持たない人が感染すると90%以上が発症します。特別な治療法はなく、症状に合わせた対症療法が行われます。
従来は幼児期の感染症と思われていましたが、最近は10~20代での感染も見られ、学校が休校になるなど、社会的な問題になっています。唯一有効な予防方法は、ワクチン接種により、あらかじめ免疫を獲得しておくことです。

ワクチン接種について教えてください。

以前は一度麻疹ワクチンを接種すれば、免疫は終生続くとされていましたが、実際には、接種後の流行時にたびたび麻疹ウイルスに接し、結果として免疫が持続していたことが分かりました。近年の若年者の発症は、ウイルスに接する機会に乏しく、免疫が維持できなくなったことが原因と考えられます。ワクチンによる免疫の持続期間は10年くらいと推定されます。このような状況を背景に、政令の改正により、平成20年度から24年度までの5年間、中学1年生と高校3年生に相当する年齢の人たちも、ワクチン接種の対象として追加されました。免疫をより高めるためには2回接種が有効とされているので、幼児期に受けていても、もう一度接種すると良いでしょう。札幌市の場合、実施医療機関が決まっているので事前に確認してください。そのほかの方は、任意接種(実費)として行えます。麻疹のワクチンは、MR(麻疹風疹(ふうしん)混合)ワクチンが一般的で、過去に麻疹や風疹にかかったことがあっても、接種して問題はありません。副反応は、発熱(約20%)や発疹(約10%)などですが、数日で治まります。ごくまれにじんましん、けいれん、脳炎などが報告されています。妊娠中の人はこのワクチンを接種できません。麻疹に対して免疫があるかどうかの検査は一般の医療機関でできますが、保険適用外のため料金は医療機関によって異なります。抗体検査をせずに、初めからワクチン接種を行うことも一つの方法です。