2008年3月19日水曜日

「高血圧」について

ゲスト/宮の沢内科・循環器科クリニック 佐藤 愼一郎 医師

高血圧について教えてください。

高血圧の初期症状は、これといった自覚症状がなく、あっても肩凝り、頭重感、疲労感など軽微なものです。多くの高血圧患者には生活習慣と、遺伝的な体質の両方が関係しています。特に生活習慣の影響は大きく、塩分の取り過ぎ、ストレス、肥満、過労などは血圧上昇の誘因となります。高血圧患者は、高頻度で糖尿病、脂質代謝異常、内臓脂肪蓄積の状態を含んだ複合的な疾患である「メタボリック・シンドローム」を形成し、全身の血管の動脈硬化が促進され、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)、腎不全など重篤な疾患を起こす危険性が高くなります。  高血圧の診断基準は、医療機関などで、機会を変えて複数回測定した血圧値が、上が140mmHg以上、下が90mmHg以上の場合です。家庭での血圧測定の場合は上が135mmHg以上、下が85mmHg以上で高血圧と診断します。

診療・治療について教えてください。

高血圧で受診した場合、臓器の合併症の状態を調べた上で治療方針を検討します。心臓については心電図で心臓肥大の有無、狭心症などの評価を行い、さらに心不全に至っていないかを心臓超音波検査や血液検査で調べることもあります。 腎臓については尿タンパクの出現、腎機能障害がないかを血液・尿検査で検査します。微量な尿タンパク(アルブミン尿)の測定が早期腎症の発見につながります。 腕と足の血圧同時測定値から血管年齢を推定する検査も、末しょう血管の動脈硬化を調べる上で有用です。眼底検査で網膜の血管の性状を診て、血液検査から脂質、血糖、尿酸のチェックをします。これらの検査に加え、肉親の病歴や患者本人の喫煙、飲酒、運動の習慣などを詳細に問診した上で治療計画を医師と患者で話し合います。 何より大切なのは塩分制限で、一日の塩分摂取量を6gに減らすことで血圧は6mmHg下がります。続いて肥満是正のためのカロリー指導、運動指導(喫煙者は禁煙も)と進んでも、130/85mmHg未満を達成できなければ、降圧薬の内服が必要となります。 長期間にわたることの多い高血圧の治療は、医師だけではできません。生活習慣改善の上手な工夫や規則正しい服薬などで、患者さん自らも治療に参加するという気持ちがとても大切になります。