2008年1月30日水曜日

「ストレスに対処する方法」について

ゲスト/五稜会病院 千丈 雅徳 医師

ストレスについて教えてください。

精神的に負荷がかかることを「ストレス」といいます。ストレスの原因は環境や人間関係、経済的、物理的なものまでいろいろあります。ストレスが蓄積すると、イライラや無気力、食欲不振、不眠、うつなどの精神的な症状、高血圧、胃潰瘍(かいよう)など身体的な症状が現れます。
しかし、ストレスがまったく無く、平穏で退屈な生活は、挑戦する意欲や困難を乗り越える喜びをあまり感じることができません。人間は適度なストレスと向き合うことで、張り合いや生きがいをもって毎日を過ごしやすくなります。大切なのはストレスといかに上手に付き合うかということです。

ストレスの対処方法を教えてください。

ストレス発散に効果的なのは、「Rest(休養)」「Recreation(気分転換)」「Relax(くつろぎ)」の3つのRです。心身に症状が出る前に3つのRを実践して、心と体の健康を守りましょう。自らできるストレスへの対処方法としては、「非現実的な目標を持たない」「できないことはできないという勇気を持つ」「ストレスの原因と思えることを書き出してみる」「自分の弱さを認める」「悩みを分かち合う」「人に依存せず、心の中で自立する」といったことが挙げられます。
しかし、自身では対処できないと感じたら、すぐに専門機関を訪ねてください。ストレスによる心身の不調で受診した場合、安定剤などの投薬治療のほかに、悩みを分かち合うカウンセリング、対人交流のスキルアップを目指しての認知行動療法などを行います。認知行動療法では、どういうときにどういった心理状態になるかを自身で認識するため、日記をつけるなどして、感情のコントロールを身に付けます。
また、全国的な傾向として30~50代の男性で、ストレスからうつになる患者が多くなっています。その背景には失業、リストラなど仕事や経済的な不安、将来への不安があります。失職あるいは休職している場合は、パソコン操作などスキルアップをサポートしつつ、同じ悩みを抱える者同士で話し合うなどの復職プログラムを行っています。エアロビクスやウオーキングなどの運動療法も心身の健康を取り戻すのに効果的です。このようなプログラムを実践している病院は、全国的に増加傾向にあります。回復のために、医師や専門スタッフなどのアドバイスやサポートを上手に利用することで、ストレスに対処する能力を身に付けることができます。

2008年1月23日水曜日

「前立腺がん」について

スト/芸術の森泌尿器科 斉藤 誠一 医師

前立腺がんについて教えてください。

前立腺がんは欧米に多い病気とされてきましたが、最近では食生活が欧米化したことと高齢化社会になったことから、日本でも急激に増加しています。アメリカでは男性のかかるがんで一番多く、6人に1人が前立腺がんになっているといわれています。この病気を撲滅するために、国をあげて取り組んだ結果、アメリカでの前立腺がんによる死亡は3分の1減少しました。このようにアメリカで前立腺がんの死亡率が大きく減少した理由のひとつに、PSA(前立腺特異抗原)という血液検査により早期がんを発見し、早期治療が行われたことが挙げられます。同様にオーストリアのチロル地方では住民検診にPSA検査を取り入れ、死亡率が大きく減少しました。
特に最近はPSA検査での正常値を従来の4.0から2.5に下げて、より早期にがんを発見し、早期治療を行おうという報告があります。今まで正常とされてきた2.5から4.0の間でも25%の人にがんが検出されます。その中で従来の正常値とされていた4.0の人に、かなりがんの進行が見られる例が30%以上存在しました。

治療法について教えてください。

治療は手術、放射線、薬、経過観察と多岐にわたっています。診断と治療が確立して死亡率が下がることは朗報ですが、日ごろから前立腺がんにならないように予防することも大切な要素です。前立腺がんを予防するためには、脂肪を控え、大豆、トマト、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や緑茶を多く取ることがよいとされています。このような食生活を送っている地域では、実際に前立腺がんの発生は少ないのです。
しかし現在の日本の食生活では、今後前立腺がんの増加は明らかです。40歳を過ぎたら、1年に1度はPSA検査を受けましょう。特に身内で前立腺がんになった人がいる方は要注意です。早期発見、早期治療を行えば、前立腺がんは恐い病気ではありません。専門医を受診し、積極的に検査を受けることをお勧めします。

2008年1月16日水曜日

「冬の乾燥肌ケア」について

ゲスト/たけだ皮膚科スキンケアクリニック 武田 修 医師

乾燥肌について教えてください。

冬になると肌が乾燥してかゆくなったり、粉をふいたような状態になることがあります。夏よりも皮膚表面に水分が少ないためで、さらに、寒いからと長湯をしたり、ヒーターや床暖房、ストーブなどに直接当たることによって、皮膚の乾燥を招きます。また、入浴時にアカすりタオルなどでこすると、皮脂膜を傷つけることになります。こすってとれるのは、アカではなく肌を外界から守る働きのある角質層で、これをこすりとることによって皮脂欠乏状態となり、皮膚表面が地割れ様になり、汗や衣類の繊維が刺激となって「かゆみ」が生じます。乾燥が気になる人は、手のひらに石けんを泡立て、体をなでる程度で十分きれいになります。風呂上がりは、軽く汗をぬぐって、化粧水などを使うと水分を保つことができます。
また、冬は家事による手荒れがひどくなると訴える人も多いのですが、油汚れの食器と同様で、温かい湯に触れるだけで皮脂がはがれ落ちてしまいます。湯を使うより水を使うほうが手は荒れません。荒れ方がひどい場合は、ハンドクリームをつけて綿の手袋をした上からゴム手袋をするといいでしょう。

加齢とともに、顔の乾燥も気になります。

顔の皮脂も年をとるごとに分泌量が部分的に減少し、乾燥した状態になります。特に冬は乾燥しやすく、スキンケアを手厚く行う人も多いでしょう。ここで注意が必要なのは、乳液やクリームなど保湿性をうたい文句にした油分の強い化粧品を使うことです。水分が不足している肌に油分で皮膚表面にフタをしてしまうことで、毛穴が詰まって皮膚炎を引き起こし、小ジワやシミの原因となることがあります。
適切な処置としては化粧水などで十分に水分を補充し、その上で乾燥しやすい目元、口元を中心に乳液やクリームで、少しだけ油分をプラスするといいでしょう。日中は、スプレータイプの化粧水で水分を何度も補給すると効果的です。
最近は肌が敏感で化粧品選びに困っている人も多くなっています。医師の管理下で使うドクターズコスメもいろいろ出ていますから、気になる人は、「お肌の専門家」の皮膚科で相談してみるといいでしょう。

「冬の乾燥肌ケア」について

ゲスト/たけだ皮膚科スキンケアクリニック 武田 修 医師

乾燥肌について教えてください。

冬になると肌が乾燥してかゆくなったり、粉をふいたような状態になることがあります。夏よりも皮膚表面に水分が少ないためで、さらに、寒いからと長湯をしたり、ヒーターや床暖房、ストーブなどに直接当たることによって、皮膚の乾燥を招きます。また、入浴時にアカすりタオルなどでこすると、皮脂膜を傷つけることになります。こすってとれるのは、アカではなく肌を外界から守る働きのある角質層で、これをこすりとることによって皮脂欠乏状態となり、皮膚表面が地割れ様になり、汗や衣類の繊維が刺激となって「かゆみ」が生じます。乾燥が気になる人は、手のひらに石けんを泡立て、体をなでる程度で十分きれいになります。風呂上がりは、軽く汗をぬぐって、化粧水などを使うと水分を保つことができます。
また、冬は家事による手荒れがひどくなると訴える人も多いのですが、油汚れの食器と同様で、温かい湯に触れるだけで皮脂がはがれ落ちてしまいます。湯を使うより水を使うほうが手は荒れません。荒れ方がひどい場合は、ハンドクリームをつけて綿の手袋をした上からゴム手袋をするといいでしょう。

加齢とともに、顔の乾燥も気になります。

顔の皮脂も年をとるごとに分泌量が部分的に減少し、乾燥した状態になります。特に冬は乾燥しやすく、スキンケアを手厚く行う人も多いでしょう。ここで注意が必要なのは、乳液やクリームなど保湿性をうたい文句にした油分の強い化粧品を使うことです。水分が不足している肌に油分で皮膚表面にフタをしてしまうことで、毛穴が詰まって皮膚炎を引き起こし、小ジワやシミの原因となることがあります。
適切な処置としては化粧水などで十分に水分を補充し、その上で乾燥しやすい目元、口元を中心に乳液やクリームで、少しだけ油分をプラスするといいでしょう。日中は、スプレータイプの化粧水で水分を何度も補給すると効果的です。
最近は肌が敏感で化粧品選びに困っている人も多くなっています。医師の管理下で使うドクターズコスメもいろいろ出ていますから、気になる人は、「お肌の専門家」の皮膚科で相談してみるといいでしょう。

2008年1月9日水曜日

「ペインクリニックの役割」について

ゲスト/札幌一条クリニック 後藤 康之 医師

痛みの治療について教えてください。

「痛み」は、原因、種類、経過が多様で、本人のみの体験であり、感受性にも個体差がある、ごく主観的なものです。だからこそ、心理状態の影響が大きいことも事実で、痛み自体が大きなストレスとなりさらに症状を悪化させることがあります。食欲や睡眠にも影響を与えます。また、古来「痛いくらいは我慢しなければ」と言われることも多く、鎮痛剤の服用が唯一の痛みの治療という考えもありました。しかし、効果が十分ではなかったり、量を増やして副作用を招くこともあり、痛みそのものを治療するという認識はなかなか得られませんでした。
痛みを発生するメカニズムは複雑で、十分に解明されていない部分もあります。アメリカでは各科と協力して「痛みがあれば緩和する医療」=ペインクリニックの存在が一般的です。日本でも1962年に東大に設置されて以来、痛みの治療は急速に進歩しました。しかし、患者の需要を満たすには程遠く、遠方からはるばる都心まで治療に通う人も多いのが実情です。

ペインクリニックの役割について教えてください。

ペインクリニックは「痛み」を伴う疾患(しっかん)の診断、治療を行うことが目的です。頭痛、片頭痛、顔面痛、顔面神経まひ、三叉(さんさ)神経痛、肩・腰・関節の痛み、ギックリ腰、帯状疱疹(ヘルペス)、坐骨(ざこつ)神経痛、がんによる痛み、心因性の痛みなど、痛み、しびれのある症状なら、すべて治療の対象になります。
具体的には、注射で局所麻酔薬などを神経周辺に入れ、痛みを遮断する神経ブロック療法が中心です。一度で痛みが取れる場合もあるし、何度か通ってもらうこともあります。治療を行うにあたっては、内科、神経内科、整形外科などの診療科と協力して行います。神経という繊細な部分を扱うため、高い技術や豊富な経験も必要となります。症状によっては、抗不安薬、抗うつ薬、漢方薬などを併用します。痛みは心身に大きなダメージを与えます。体と心の両方を診ることが、ペインクリニックの役割です。