2007年10月17日水曜日

「男女の排尿障害」について

ゲスト/元町泌尿器科 西村昌宏 先生

女性の排尿障害について教えてください。

 女性の排尿障害を伴う疾患としては、まず急性膀胱(ぼうこう)炎が挙げられます。突然、排尿痛を伴う頻尿、残尿感に襲われ、排尿後の不快感があったり、尿に血液が混じることもあります。原因は菌による感染で、性活動が活発な20歳代の女性、閉経後に女性ホルモンによる自浄作用が後退した50歳代以降の女性に多くみられます。下半身の冷えや長時間トイレを我慢することによって発症することもあります。抗生物質を服用すると3、4日で症状が改善しますので、最初にきちんと治療することが重要です。
 ほかに女性の排尿障害としては、尿失禁が挙げられます。50歳代以上の女性に多く、くしゃみや重い物を持ち上げたときなど腹圧がかかった状態で漏らしてしまいます。加齢や多産、肥満などが原因で、軽症の場合は尿失禁体操で骨盤低筋群を鍛えると効果があり、また内服治療でも軽快します。重症の場合は手術を行うこともあります。

男性の排尿障害について教えてください。

 男性に多くみられるのは尿道炎、前立腺炎です。尿道内に細菌が入り、尿道や前立腺が炎症を起こす疾患で、排尿痛、頻尿、残尿感、発熱などの症状があります。大腸菌、クラミジア、マイコプラズマなどによる感染が原因で、抗生物質投与などの治療を行います。慢性化すると治りづらくなるので適切な治療を受けてください。
 中高年男性では、夜間の頻尿、尿に勢いが無い、残尿感があるなどの排尿に悩む人が多くなります。これは、加齢によって前立腺が肥大し、尿道を圧迫するため尿の出が悪くなる前立腺肥大による症状です。肥大症は通常50歳代になって現れる病気で、60歳以上ではかなりの確率で肥大症になります。投薬や手術による前立腺の切除など、症状の進行具合に適した治療を早期にすることが大切です。前立腺ガンは肥大症の症状に酷似しているので、見逃さないためにも50歳を過ぎたら年に1回は定期検診を受けましょう。簡単な血液検査でかなりの確率で診断できますから、積極的に検査を受けてください。早期に発見・治療することが大切です。