2007年10月10日水曜日

「百日咳(せき)」について

ゲスト/白石内科クリニック 干野 英明 医師

百日咳について教えてください。

 百日咳は、百日咳菌という細菌に感染することによって、主に気管支が侵される急性の呼吸器感染症です。子どもの病気といった印象がありますが、最近は大人にも発症しています。
 罹患(りかん)すると、のどや鼻からの分泌物が咳によって飛び散り、それを吸い込むなどして感染が広がります。感染後は7~10日間の潜伏期を経て発症します。第1期(カタル期)は、咳、鼻水、微熱など風邪と同様の症状が出ます。この時期に受診しても百日咳と診断するのは難しいでしょう。咳が次第に強くなり、1~2週間で第2期(痙咳期)に入り、百日咳特有の発作が出ます。短い咳が断続的に起こり、息を吸う時にヒューという高い音が出ます。この咳は菌による毒素によって引き起こされるもので、3週間前後続きます。第3期(回復期)は、咳は出ても発作がなくなり、2~3週間で落ち着きますが、咳の発作がしばらく残ることもあります。全経過は2~3カ月に及びます。成人の場合は典型的な咳の発作が起きず、咳の持続だけで回復することが多いので、診断が難しくなります。ワクチン未接種の新生児・乳児に対する感染源として注意が必要です。

診断、治療について教えてください。

 百日咳の診断は血液中の抗体価を測定したり、綿棒で咽頭(いんとう)をぬぐって培養をして菌を調べる方法などがありますが、結果が出るまで数日かかります。実際の診断では、特徴のある症状を見極めるか、同居している家族や学校、職場で百日咳にかかった人がいないかを確認します。
 治療としては、エリスロマイシンやクラリスロマイシンといったマクロライド系の抗生物質が使われます。早期に投与すると特に効果的で、10~14日間服用します。
 百日咳の予防としてはワクチンがあり、破傷風、ジフテリアと一緒に三種混合ワクチンとして、生後3カ月から接種できます。しかし、ワクチンの効果には個人差があり、大人になると低下することもあります。周囲の人への感染を防ぎ、咳を早く治すためにも、咳がしつこく続く場合は、早めに医療機関を受診されることをお勧めします。