2007年7月4日水曜日

「白内障の日帰り手術」について

ゲスト/さかた眼科ファミリークリニック 坂田 信義 医師

白内障について教えてください。

人間の目には水晶体と網膜があります。カメラに例えると、水晶体がレンズ、網膜がフィルムの役割を果たしますが、水晶体が濁って光が通過しづらくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下するのが白内障です。アトピー性皮膚炎や糖尿病といった全身疾患に合併するもの、外傷性など原因はさまざまですが、大半が加齢による老人性白内障。60歳前後から増加し、70歳代後半でピークに達します。焦点が合わない、かすむなど症状は人それぞれで、日常生活に支障がなければ、点眼薬などで進行を遅らせることは可能ですが、濁った水晶体を元に戻すことはできません。

症状が進行した場合、どのような治療法がありますか?

事に支障をきたす、外出すると極端に見えにくい、免許の更新ができないなど、日常生活で不自由を感じるようであれば、手術を行います。視力、眼圧、網膜の状態を調べる眼底検査、水晶体の濁りの状態を調べる細隙(さいげき)灯顕微鏡検査など、事前に1時間程度の検査を行った上で、術後に通院が可能か、家族の協力が得られるか、重篤な合併症がないかなどの問診も行い、手術の実施を決定します。

手術はどのような方法で行いますか?

顕微鏡を使った細かい手術で、時間は10~15分程度。点眼による局部麻酔の後、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、人工の眼内レンズを挿入します(超音波水晶体乳化吸引術)。折りたたみ可能なシリコンまたはアクリルレンズです。手術後は20~30分ほど安静にしていただき、眼帯をして、帰宅が可能です。眼帯は翌日からはずすことができます。手術後は目が充血したり、ゴロゴロしたりしますが、1週間程度で和らぎます。眼内レンズはピントを合わせる調整力がなく、薄い眼鏡が必要になる場合もありますので、手術後1カ月ほどして、視力が安定してから作るとよいでしょう。症状が進行すると、水晶体の核を丸ごと取り出す手術が必要になる場合もあるので、見えづらいなと感じたら、早めに専門医を受診することをお勧めします。