2007年4月18日水曜日

「肩こり」について

ゲスト/札幌一条クリニック 後藤 康之 医師

日本人には肩こりに悩む人が多いそうですね。

 約7000万人の日本人が、現在あるいは過去に肩こりに悩まされた経験があるという調査結果があります。男性よりも女性に若干多く、いわゆる働き盛りの年代に多いのですが、最近は塾通いやテレビゲームの影響で小・中学生が肩こりを訴えるケースも増えています。
 肩こりは、人類が直立二足歩行を始めたときからの宿命といわれています。特に、欧米人や日本人と同じアジア人である中国人より、日本人に肩こり症の人が多いのは、歴史や伝統が関係しているのではないかといわれています。「肩の荷を下ろす」「肩書き」など、日本語には肩のつく言葉が多くあり、日本人にとって「肩」は体の部位以上の意味を持つ存在です。明治の女流作家・樋口一葉が肩こりと頭痛に悩んでいたのは有名です。一葉は若くして家計を支え、文筆業を志して勉強もしていました。経済的、心理的にストレスの多い毎日の中で、当時の髪型や住環境、やせ型の体型なども影響して、しつこい肩こりに悩まされていたのではないでしょうか。

肩こりの予防や治療法はありますか。

 肩こりの症状は、頚部(けいぶ)・肩・上背部の不定の痛みで、疲労感やしびれを伴うこともあります。頚部の血流への影響が強く頭痛の原因ともなります。持続した動作、不自然な動作をしたとき、ストレスを強く受けたとき、精神的緊張が続くときに起こりやすく、几帳面(きちょうめん)な人や物事にこだわる人に発症しやすい傾向があります。
 肩こりは、筋肉の緊張によって血液の流れが悪くなり、疲労物質が蓄積することで起こります。軽い体操やマッサージ、入浴、ハリ治療など、自分にあった肩こり解消法を見つけるとよいでしょう。夜更かしや過労を避けたり、枕を変えるだけでも改善することがあります。それでもしつこく痛みがとれないときは、痛みの専門医である麻酔科を受診してみてください。人によって効果はさまざまですが、神経ブロックのほか、理学療法、安定剤などの処方によって、痛みを緩和できることが多くあります。