2007年3月28日水曜日

「月経前症候群」について

ゲスト/アップルレディースクリニック 敦賀 律子 医師(非常勤)

月経前症候群について教えてください。

 月経が始まる前に、気分が落ち込む、イライラするなどの精神的症状や、頭痛やむくみ、腰痛などの体調不良を感じたことはありませんか。これは、月経前症候群(PMS)と呼ばれるもので、通常、月経の2週間から1週間ほど前から起こり、月経が開始すると、症状も消失します。排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンという女性ホルモンによるのではないか、脳で分泌されるβーエンドルフィンという物質が月経前に急激に低下するためではないか、神経情報を伝達するセロトニンが低下するためではないかなど、いくつかの原因が考えられていますが、いずれも、確定はしていません。
 症状とその程度は人それぞれで、何となくだるい、胸が張る、肩が凝る、イライラするという程度の人から、朝、寝床から抜け出すことができない、ふさぎ込んで仕事へ行けない、落ち込んで泣き出してしまうという、日常生活に支障が出る人までさまざまです。

予防法や治療法はありますか。

 月経痛は、体のリズムからくる一時的なものとして受け入れている女性がほとんどです。しかし、月経前症候群は、当事者が原因に思い至らず、さまざまな症状に悩まされている場合が多いのが実情です。定期的に体調や精神面での変化を感じたら、手帳でもいいので、その時期を書き留めておくといいでしょう。「月経前のこの時期に現れる症状」と認識するだけで、体調的、精神的な不安から解放されます。症状がひどい場合は、専門医を受診してください。治療としては、頭痛、腰痛など痛みには鎮痛剤、イライラやうつ状態には安定剤や抑うつ剤など、対症療法が中心になります。あまり症状がひどい場合には低容量ピルによるホルモン療法を行う場合もあります。
 日常生活の中では、ストレスなく、ゆったりとした気持ちで過ごせる環境が大切です。カフェインは症状を悪化させる恐れがあるので、取り過ぎないようにしましょう。あまり神経質にならず、体のリズムとして受け入れ、やり過ごすことが肝心です。

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