2006年10月11日水曜日

「子どもと大人の屈折異常」について

ゲスト/ふじた眼科クリニック 藤田 南都也 医師

子どもの屈折異常について教えてください

 屈折異常とは、近視や遠視、乱視などのことです。網膜より手前で焦点が結ばれてしまうのが近視、網膜より後ろに焦点がきてしまうのが遠視です。
 学童期の子どもで良く問題になるのが近視です。授業中に黒板の文字が見えづらくなったなどの症状が出たら、すぐに眼科を受診してください。近視には、いわゆる仮性近視の段階と、治らない近視があり、目薬の検査によってどちらか判明します。仮性近視の場合は、すぐにメガネを作らなくても、睡眠前の点眼や視能訓練などによって、ある程度改善が見込めます。近視の場合は、視力に合ったメガネをかけて、授業に遅れをとらないようにします。
 子どもで問題となるもう一つの屈折異常は遠視です。近くも遠くもはっきりと見えない状態なので、早めの視力矯正治療が必要です。遠視用メガネを日常的に使用しますが、「子どもにメガネはかわいそう」などといって、矯正を怠ると、脳の視力に関係する神経回路が育たず、そのまま成長し、弱視になってしまうことがあります。必ず治療は受けさせてください。強い乱視の場合も同様にメガネで矯正し、弱視予防の治療をします。いずれにしても遠視や乱視の治療は中学生になってからでは手遅れで、できれば小学校入学前の眼科受診が望ましいです。

大人の屈折異常について教えてください。

 加齢によって目の機能が衰えてきますが、代表的なものが老眼(老視)です。ピントを合わせる水晶体の厚さを調節する力が弱まり、近くや遠くのものが見えづらくなります。40歳以上で、最近ものが見づらくなったと感じたら老眼を疑ってください。こういう場合メガネをかけると見やすくなるだけではなく目も疲れにくくなります。さらに遠視の方の場合、目の中の圧力が高くなりやすく、緑内障になることもあります。緑内障を未然に予防するには、一度はきちんと検査を受けるといいでしょう。
一方、視力0.1以下の強い近視の人は、網膜はく離を起こしやすいので、眼底の散瞳検査をお勧めします。早いうちなら、レーザー治療が可能ですが、実際にはく離を起こしてしまうと、通常手術が必要になります。視界に黒い点や糸が浮遊する飛蚊(ひぶん)症が出てきたり、キラキラとした光を感じる光視症などの症状があったら、一度眼科の診察を受けてください。