2006年7月19日水曜日

「VDT症候群」について

ゲスト/札幌エルプラザ阿部眼科 阿部 法夫 医師

VDT症候群について教えてください

 最近、目の疲労感を訴えて来院する患者さんの中に、目の症状以外のイライラ、不安、抑うつ状態など心の症状や、肩や首の痛みなどを訴える人が増えています。特に、一日中パソコンに向かう職業に就いている人に多くみられます。
 このようなパソコン業務に伴う眼精疲労、心の症状、頚肩腕(けいけんわん)障害の3つがそろうと、「VDT症候群(「テクノストレス眼症」ともいう)」と呼ばれます。VDTとは「Visual display terminal(視覚的表示端末)」の略称で、具体的にはテレビ、テレビゲーム、コンピューター、ワープロ、携帯電話などの表示画面を持つ装置のことを指します。最近はブラウン管から液晶、プラズマ画面に変化し、チラつかないなど性能は大幅に向上しましたが、依然として、作業画面、作業環境には改善すべき点も多いようです。

症状や予防法などを教えてください。

 VDT作業は労働現場から家庭、学校へと広がっています。コンピューターネット社会は長時間のVDT作業を伴なうため、目の疲れから始まって、徐々に心の疲れ、ストレス、肩こり、頭痛など全身症状へ移行し、疲労の回復が困難となった状態と考えられます。
 VDT症候群は、眼科的症状が主訴ですが、心療内科をはじめ多方面に及んでいるため単科での治療に苦慮し、他科受診を勧める場合もあります。眼愁訴を年齢的にみると、若年者ではコンタクトレンズに関連した目の乾き、ドライアイの訴えが圧倒的に多く、中高年では老視に伴った調節障害の訴えが多いようです。作業時間としては、4時間以上のVDT作業者に多いようです。特に7時間以上に及ぶようなソフト開発者などには、40歳以上なら軽い近用部分の入った眼鏡を勧める場合もあります。そのほか、遠視や混合乱視、眼位異常、不同視、緑内障など眼疾患のある方では、それなりの対策や治療を要します。
 結局のところ、眼科的な特効薬があるわけではなく、作業にあたる一人一人が、常に目や心の不調に注意を払い、作業時間・環境を整え、個々の症状に応じた予防策や対策を講じることが重要です。VDT作業のためのガイドラインが作成されていますので、参考にしてください。