2006年6月21日水曜日

「動脈硬化とリンゴ型肥満」について

ゲスト/青木内科クリニック 青木伸 医師

動脈硬化症について教えてください。

 現在日本人の死因で多いのは脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞などの動脈硬化症です。動脈硬化症になるハイリスク因子として、肥満が挙げられます。日本人は欧米人と違って極端な肥満の人は少ないですが、いわゆる小太り程度の人が多いようです。肥満には2種類あって、一つは女性に多く見られる皮下脂肪が増える下半身肥満で、洋なし型肥満と呼ばれます。このタイプの肥満は、病気とあまり関係ありません。もう一つが男性に多くみられる、内臓に脂肪が増えるリンゴ型肥満です。リンゴ型肥満は病気の発症と深い関係があります。このタイプの肥満かどうかは、おへその高さでウエスト周囲を測れば分かります。男性は85cm以上、女性は90cm以上あれば、リンゴ型肥満の疑いがあります。
 リンゴ型肥満の人が、同時に高血糖、高血圧、高脂血症を重複して伴っていると、健康な人に比べて動脈硬化性疾患の発症リスクが約30倍になるという報告もあります。この病状は代謝症候群(メタボリック症候群)として、医学界でも注目されています。

動脈硬化症の予防方法を教えてください。

 まず心掛けるのが、肥満の解消です。特にリンゴ型肥満の方はやせることが重要です。幸いリンゴ型肥満は、洋なし型肥満に比べ、食事と運動によって、やせる効果が出やすいです。食事は野菜、魚を中心に、薄味にします。ひと駅分歩くなど、日常的に体を動かすように努めることも大切です。毎日体重を量り、体重の動きをグラフで表記して貼り出し、やせる指標とすると、目標ができて効果的です。合併しやすい高血糖、高血圧、高脂血症も、やせることによって改善する症状なので、努力のしがいがあります。これらの病気には薬物治療が必要なこともありますので、まずは専門医に相談しましょう。コントロールがうまくいっているかどうかは、基準値があるので参考にするとよいでしょう。
 過去1~2カ月間の平均血糖値を表すHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)の正常値は5.8%以下ですが、糖尿病がある場合は、HbA1cが6.5%以下、血圧は130/80mmHg以下、総コレステロールは200mg/dl以下、中性脂肪は150mg/dl以下にしておくと動脈硬化の予防になります。